長崎ストーカー殺人で千葉県警本部長ら処分へ
ストーカー男につきまとわれ警察に被害届を出そうとした際、警察内部での職員旅行が決まっていたため被害届を受理しなかった千葉県警習志野署の判断により、2人の女性がストーカー男に殺害されるという悲惨でやりきれない事件がありました
千葉県警の責任が厳しく問われる状況下で県警本部は内部調査を進めたのですが、職員旅行のため被害届受理を遅らせた事実を隠蔽する報告をまとめていたと暴かれ、さらなる窮地に追い詰められてしまいました
身内同士でかばい合う警察の体質がもろに出てしまったわけで、千葉県警本部長以下、習志野警察署長らが処分されるのは確実でしょう
それでも事件を未然に防げなかった責任を償ったとは言えません
事実関係を補足しておくと、事件当時習志野警察署長だった大場仁志は今年4月1日付けで千葉県警本部警務部付に更迭されています。「一身上の都合」を理由に辞職願を提出していたのですが、処分が決まるまで辞職を認めない方針です
ストーカー事件の担当である習志野署生活安全課の岡田公範課長は職員旅行にも参加しており、責任は重大ですが処分はまだなく、4月13日付けで成田国際空港警備隊へ異動になっています
生活安全課から事件を引き継ぐことになっていた習志野署刑事課長の伊藤敏夫課長は、職員旅行のため被害届の受理を先送りするよう指示した張本人で、同じく4月13日付けで機動捜査隊へ異動になっています
県警本部と警察庁との協議によって処分が決定するまでの措置なのでしょう
事件の経緯については以下のウェッブサイトに簡単なまとめが掲載されていますので、参照してください
長崎のストーカー殺人についてまとめ
被害者家族は被害者である女性が当時居住していた千葉県警習志野署や、ストーカー男の実家がある三重県の警察、被害者の実家がある長崎の警察にも相談していたのですが、殺人を未然に防げませんでした
そして警察が事件の検証をすると公言した結果は、上記のように職員旅行が決まっていたので被害届の受理を先送りにした事実を隠蔽した報告書がまとめられたのです
警察が、「これは事件ではない(事件性はない)」と判断すると事件扱いされません
ストーカー事件を、「単なる男女関係のもつれ」だと軽視し、対応を誤るとこうした取り返しのつかない事態になるのですが、残念ながら同じ過ちが繰り返されています
今回、千葉県警本部長以下関係者がどのような処分を受けるかは分かりませんが、これをきっかけに田舎の警察も危機感をもってストーカー事件に対応するようになってもらいたいものです
追記:千葉県警本部長鎌田聡は訓戒、県警刑事部長、生活安全部長は訓戒、元習志野警察署長、元習志野所の生活安全課長と刑事課長の3名は懲戒処分と発表されていますが、懲戒処分の中身は不明です。おそらく減給程度かと思われます
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