スペースシャトルが博物館入り その勇姿を保ったまま保存

役割を終えたスペースシャトル「ディスカヴァリー」が余生を過ごすため、アメリカのヴァージニア州にあるスミソニアン航空宇宙博物館の別館に到着したと報道されています


引退した米スペースシャトル「ディスカバリー」が17日、博物館での展示のため、改造ジャンボ機の背に乗ってフロリダ州のケネディ宇宙センターから、首都ワシントンに向けて輸送された。
ディスカバリーは1984年に初飛行し、無事に引退したシャトルの中では最も古く、計39回宇宙に。日本人飛行士も5人搭乗した。
ジャンボ機の上に固定されたディスカバリーは、同日早朝に"母港"の同センターを出発。ワシントンでは、ホワイトハウスや連邦議会議事堂がある中心部上空を通過し、郊外のダレス空港に。
今後、空港近くのスミソニアン航空宇宙博物館新館で公開される。
輸送用の改造ジャンボ機は、シャトルが帰還時に悪天候などで別の場所に着陸した際、ケネディ宇宙センターに戻すために使われていた。
残る2機の「エンデバー」と「アトランティス」も、カリフォルニア州とフロリダ州の施設で展示される予定。
(日本経済新聞の記事から引用)


動画を見ると、あらためてその機体の巨大さに驚かされます

スペースシャトルを背中に乗せて空輸するボーイング747 NASAシャトル輸送機

動画を見ていると、しみじみと「1つの時代が終わったのだな」と感じます
NASAが推進したスペースシャトルプロジェクトは1969年、当時のニクソン大統領の時代に正式採用が決まり、1981年に初飛行を行い、2011年7月までに135回も飛行を繰り返しました
そのミッションの中には当然、アメリカの軍事関係のものも含まれているのは言うまでもありません
機体は初号機であるエンタープライズ、コロンビア、チャレンジャー、ディスカヴァリ-、アトランティス、エンデバーと5機ありましたが、事故によりチャレンジャーは1986年に、コロンビアは2003年に失われています
このスペースシャトルの機体の表面を覆う耐熱タイルは京セラが手がけていたとの話もありますが、1枚ごとに識別番号が付けられ、いつ貼られいつ交換されたのか、履歴を確認しながら飛行のたびにメンテナンスが行われたのだそうです
こうした手間が、「コストを低減させるために使い捨てではなく、何度も再利用できる機体を用いる」との当初のコンセプトに反し、スペースシャトルの運用費用が高額なものになってしまう結果をもたらしました
それでも2度の事故を乗り越え、運用を続けたのですからアメリカの維持とプライドがありありと見えます
日本の政府ならば政権が交代するたびに宇宙開発予算は弄られ、このような長期間のプロジェクトの推進は困難でしょう
日本も独自に地球と宇宙空間を往復する機体を実用化しようとの計画があるのですが、それを無駄だと決めつける政治家がいますから実現はなかなか難しいわけです
福祉の名のもとに、年間数兆円もの予算を散財している現状の方がよほど無駄だと自分は思うのですが(今また、政府・与党は福祉の名のもとに消費税を大幅に引き上げようとしています)

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