北朝鮮ミサイル発射 日本政府の対応はまずかったのか?
日本政府が北朝鮮のミサイル発射について公式に発表したのはアメリカや韓国よりも遅く、「情報確認に手間取った」と批判する報道があちらこちらから流れています
産経新聞では今回の政府対応について、「北朝鮮の人工衛星と称する長距離弾道ミサイル発射に際し、政府は国民への情報発信に完全に失敗した。発射をただちに覚知しながら裏付けに手間取り、『発射は未確認』と発表した約20分後に『飛翔体が発射された』と説明するなど対応は二転三転。Jアラート使用は日本飛来時に限るとの方針を自治体に周知することも怠り、民主党政権の危機管理能力に不安を残した」と指摘しています
防衛省はアメリカ軍や韓国軍と情報を共有できていなかった(韓国軍が日本に直接情報を提供するとは思えませんので、米軍経由でしょうが)とは思えないので、防衛省の把握した情報を首相官邸でどう扱い国民に対して公表するか、その段取りがまずかったのでしょう
具体的な部署としては首相官邸内の危機管理センターに設けられた対策室の判断に問題があったと言えます
防衛省は北朝鮮のミサイルが沖縄上空を通過するのを想定し、イージス艦「ちょうこう」と「きりしま」は沖縄に近い東シナ海に配備し、「みょうこう」を北朝鮮と東京を結ぶ日本海に配備していました。万が一にも北朝鮮が事前の通告を無視して、東京上空に向けてミサイルを打ち込む事態に備えるためです
しかし、北朝鮮の弾道ミサイルは中国のとの国境に近い基地から発射された後、黄海上空に出たところで爆発、四散してしまいました
日本海や東シナ海に展開していた日本のイージス艦からは遠すぎて補足が難しかったのでしょう
アメリカは弾道ミサイルの発射を検知するため、早期警戒衛星を保有しています。弾道ミサイルを発射する際には高温のガスが噴出されるので、それを宇宙空間から赤外線センサーで検知し、通報する仕組みです
これにより米軍が一番早く情報を掴めるわけで、日本はその情報に頼らざるを得ないのです
米軍から提供された情報を首相官邸の対策室で、「確認したのか?」、「どうなっているんだ」とやっているうちに時間が経過してしまったのでしょう
より迅速で、適切な情報の扱いがなされ、国民に北朝鮮のミサイル発射の事実とその影響・被害の有無を伝達できるよう改善してもらいたいものです
「日本の危機管理はダメダメだ」と言いたいがための報道なのは分かりますが、今回の政府の対応は「ミサイル発射についての公式な情報の発信」がまずかっただけで、その他の対応は十分評価できるものでしょう
2002年4月に朝日新聞は有事法制に反対する記事を書き、「1発だけなら、誤射かもしれない」ととんでもない主張をしていました
北朝鮮が長距離弾道ミサイルを日本に向けて発射しても、「1発だけなら誤射の可能性があり、武力攻撃だと断定するのは誤りだ」と決めつけたのです
つまり北朝鮮の長距離弾道ミサイルを撃ち落とすなどどんでもない話であり、ミサイルが着弾して東京が火の海になっても、「武力攻撃かどうかは慎重に判断すべきだ」と真面目な顔をして発言していたのでした
そんな2002年の状況に比べれば、日本の危機管理は随分とまともなものになったと感じます
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