作家森達也が光市母子殺害事件判決にイチャモン
タイトルに「イチャモン」と付けたのは、作家にして映画監督である森達也の主張があまりにバカバカしいためです
ダイヤモンド・オンラインに掲載されている「リアル共同幻想論」の中で、森達也は光市母子殺害事件の判決やそれを支持する人たちにさまざまな疑問、反論を投げかけています。日本は言論の自由が保証されているのですからどのような意見を述べても良いのですが、荒唐無稽な主張は笑われるだけです
リアル共同幻想論
勝間和代のテレビ番組に出演した森達也が光市母子殺害事件の判決に疑問を表明したところ、多くの人から反論や罵倒を受けた体験について語り、そうした感情論に疑問を投げかけている内容です
森達也が死刑廃止論を支持するのならそれでも構わないのです。しかし、森達也の主張は筋道を外れ、ほとんど言いがかりに近い内容です
たとえば森達也は以下のように書いています
もしも遺族がまったくいない天涯孤独な人が殺されたとき、その犯人が受ける罰は、軽くなってよいのだろうか。
死刑制度は被害者遺族のためにあるとするならば、そういうことになる。だって重罰を望む遺族がいないのだから。ならば親戚や知人が多くいる政治家の命は、友人も親戚もいないホームレスより尊いということになる。生涯を孤独に過ごして家族を持たなかった人の命は、血縁や友人が多くいる艶福家や社交家の命より軽く扱われてよいということになる。親に捨てられて身寄りがない子どもの命は、普通の子どもよりも価値がないということになる。
遺族の処罰感情を尊重するのが死刑制度なら、遺族のいない孤独な犠牲者はまったく顧みられないと森達也は主張するのですが、これは小学生並の屁理屈です
孤独な老人が殺害されたなら、遺族にかわって世間一般の人たちが厳罰を求めるくらいの人情がこの国には備わっています
後半部分では殺害された夕夏ちゃんの頭部に損傷がなかったという解剖所見を挙げて、「床に頭部を叩きつけて殺害した」との検察調書に疑問を提起し、「計画性や殺意がこうしてでっち上げられる」とさも重大な指摘をしているかのように書いています
殺害の経緯・方法など本人が事実を語らないのならば、検察側が推論を述べ、裁判所が認定するしかありません。ですから森達也が鬼の首を取ったがごとく検察の論告の誤りを指摘したところで、生後11ヶ月の夕夏ちゃんが無残にも殺害された事実に変わりはないのであり、犯人の残虐性が否定される要素は皆無です
そもそも一審、二審で犯罪事実を争点にしなかった被告と弁護団の側の問題であり、検察の責任を指摘した気分になっている森達也の意図が不明です
死刑制度に問題があると言いたいのか、検察側の立証に問題があると言いたいのか、メディアの報道姿勢に問題があると言いたいのか、死刑制度を支持する国民に問題があると言いたいのか、はっきりしません
そして記事の文末では、「こうして虚偽の事実がメディアによって消費され、人々の意識が変わり、制度が変わり、法が変わる。それによって損害を受けるのは、『被害者遺族の身になれw』とか『自分の子供が殺されても同じことが言えるのか』などとネットに書きこんでいるあなたかもしれない。」と、またもや何やら重要な真実を指摘した気になって
締めくくっているのですが、これもまた不可解な言い分です
上でも述べたように光市母子殺害事件そのものは虚偽ではなく、若い母親と幼いこどもが残任な形で命を奪われた事実に変わりはないのです
被害者を殺害した方法に多少の違いがあったところで、事件そのものは否定できません。森達也が何にそこまで執着しているのか、文面からは伝わってこないのです
夕夏ちゃんが故殺されたのではなく、自然死だったとでも言いたいのでしょうか?
ならばはっきりとそう書くべきです
たとえ夕夏ちゃんが体調の急変によって死亡したとしても、母親が生きて側についていたなら死なずに済んだ可能性は残るわけであり、結果として犯人が2人の命を奪ったと言って間違いありません
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