大阪幼児餓死事件を考える9 下村早苗被告の裁判始まる

2010年の夏、幼いこども2人をマンションに置き去りにしたまま母親が遊び呆け、餓死させるという凄惨な事件があったのですが、ようやく事件の被告である下村早苗の裁判が始まりました
事件発生から随分と時間がかかっています
下村早苗被告の精神鑑定が行われたためでもありますが、それにしても逮捕から初公判までこれほど時間を費やす必要があったのかな、と思ってしまいます
おそらく取り調べの中で下村被告は情緒不安定と受け取れる言動があったりして、供述調書を作成するにも多大な時間を労してしまったのでしょう
刑事ドラマではありませんが、警察の取り調べでは餓死した2人のこどもの変わり果てた姿を獲った写真を下村被告に突きつけ、「お前が殺したんだろう」と責め立てたと考えられます
下村被告は泣きわめき、怒り、興奮し、あるいは極端に落ち込むなど、激しい感情の波に翻弄され、自分の行動や心情を率直に語れるような精神状態ではなくなったとも推測できます
ホステスとして働いたときは、イケイケでノリのよいいまどきの若い女性を演じていたのかもしれませんが、それとはあまりに対照的な逮捕後の下村被告の姿に、検察側はいわゆる多重人格(解離性同一性障害)ではないかとの疑いを感じ、精神鑑定の実施に踏み切ったのでしょう
解離性同一性障害については既に触れましたので、過去の記事を参照願います
さて、初公判で下村被告側は殺意を否定し、保護責任者遺棄致死罪にとどまると主張する方針のようです
ですが裁判所の下す罪名が何であれ、下村被告の罪は母親を信じた2人のこどもを裏切り、見捨てたと事実はゆらぎません。母親に愛されたいとひたすら思っていた2人を愛せなかった罪は否定できないでしょう
2人のこどもに向かって、「殺す気はなかった」と下村被告は弁解できるのでしょうか?

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