韓国映画「シュリ」大成功の光と影

日本に韓国映画の存在を強く知らしめたのが、2000年に日本で公開された「シュリ」の成功でしょう
韓国と北朝鮮の対立を背景に、北朝鮮の工作員と韓国の情報機関の人間が闘うドラマは迫力があり、激しい銃撃戦など見せ場もふんだんに用意された映画でした



シュリとは朝鮮半島に生息する淡水魚の名前です
映画の中では作戦コードとして使われていますが、南北の境界にもなっている川に生息するその魚の存在を、南北朝鮮に分かれて争う人々の寓意として用いたのでしょう
「シュリ」は韓国で封切り後、観客動員621万人という空前のヒットとなりました。日本でも興行収入18億円を稼いでおり、当時は「なぜ、日本では『シュリ』のような映画が作れないのか」との論調が見られました。さらには、「日本の映画関係者は韓国映画に学ぶべきだ」とも言われました
ちなみに歴代の韓国映画の日本における興行成績は以下のようになっています
第1位「私の頭の中の消しゴム」 30億円
第2位「僕の彼女を紹介します」  19億円
第3位「シュリ」            18億円
第4位「ブラザーフッド」       12億円
第5位「JSA」              11億5千万円

朝鮮半島の南北対立を描いた映画としては、韓国では「シュリ」よりもその後で作られた「JSA」の方が興行成績で上回っています
さて、「シュリ」の大成功とは裏腹に、その影の部分を取り上げます
日韓共同制作として「シュリ」をTVドラマ化する話が2006年に発表されましたが、全20話になるとか、制作費が6億円とか伝えられたものの、結局ドラマは制作されないままになっています。どうなったのでしょうか?
はたまた、「シュリ」の続編を映画でやるとの話も浮上し、日本から出資を募る動きもあったようですが、これも実現しないままです
二匹目のドジョウを狙ってあれこれ画策する人間がいたのでしょう
それにしてもドラマ化、続編映画の制作の話で、なぜ日本から出資を求めるのか疑問です。韓国で制作費が賄えないのか、と思ってしまいます
「ドラマをやる」といって出資を募っておきながらその約束が履行されなければ、信用を失うわけです
もちろんドラマが作られなかったり、続編映画が制作できなかったのにはそれぞれ事情があるのでしょうが
もともと「シュリ」の制作には韓国屈指の企業グループであるサムスン傘下の「三星映像事業団」が出資しているのですから、続編の制作があるならそちらが資金を出しそうなものです
日韓での映画やドラマ、アニメーションの合作についてはこれまでにも取り上げてきましたが、成功した例はほとんどありません
韓国側の考えとしては、「映画作りでもドラマ作りでも韓国の方が優れている。だから日本が金を出し、制作はすべて韓国で行う」というものなのでしょう
日本を単なる金蔓とみなしているのが現実であり、当時も今も変わりないと思われます
なお、「シュリ」のパロディとして韓国では「日本人井上をリーダーとする右翼グループが訪韓中の天皇暗殺を企てる」という映画が制作され、公開されたとの話があり、本来はそちらの作品について言及したかったのですが、情報が乏しくてできません
でした。韓国のウェッブサイトでは何かと取り上げられているようですが、韓国語はさっぱりわかりません。どなたか韓国語に堪能な方にお願いしたいところです

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