北朝鮮のミサイル発射に中国、ロシアが反対を表明

北朝鮮は人工衛星の打ち上げだと表明していますが、中国やロシアも長距離弾道ミサイルの発射実験と見て懸念していると報じられています
ロシア政府は、「(北朝鮮は)地域を不安定化させ、6カ国協議再開をさらに困難にする行動を控えるべきだ」とし、さらに「軍事、平和利用を問わず、国連安保理決議が弾道ミサイル技術利用を放棄するよう北朝鮮に求めているのは明白だ」と指摘して、北朝鮮の企てを批判しています
中国政府の反応については朝鮮日報の記事を引用します(朝鮮日報の記事は公開時期が経過すると、会員登録者以外は閲覧できなくなりますので、部分的に複写させてもらいます)


ミサイル:中国政府、真夜中に北大使呼び懸念表明
(前略)
中国は今回、光明星3号が「実用人工衛星だ」とする北朝鮮の主張を受け入れなかったことにも注目すべきだ。2010年末、北朝鮮がウラン濃縮プログラムを米国に明らかにした当時、中国外務省は「北朝鮮も核を利用する権利がある」と北朝鮮をかばった。
しかし、今回の対応は違った。
米国とロシアを訪問し、17日に北京経由で北朝鮮に戻る予定だった李容浩(リ・ヨンホ)外務次官(6カ国協議首席代表)が日程を変更し、北京に滞在しているのも、中国側の反発を意識したものではないかとみられている。李次官は19日、中国の6カ国協議首席代表を務める武大偉・韓半島問題特別代表と会い、今回の事態に対する中国側の立場を聞いた後、20日ごろに帰国する予定とされる。
北京の外交関係者の間では、中国が実際にはもっと困惑しているのではないかとの見方もある。26-27日には胡錦濤国家主席がソウルで核安全保障サミットに出席する。
その直前に北朝鮮が事実上のミサイル発射実験計画を発表したことで、中国の体面が傷つけられたからだ。多額の援助で金正恩体制の安定を図ろうとしてきた中国としては、裏切られたと感じた可能性がある。
しかし、中国側が北朝鮮に圧力を加える手段は限られる。北京駐在の外交筋は「石油や食糧援助の中断というカードは、破局を招くことがあり得るため、使いにくいはずだ。
強い不快感を表明する以上の対応は難しいのではないか」と指摘した。
(朝鮮日報日本語版より抜粋)


中国が北朝鮮の立場を擁護しつつも、6カ国協議の再開に向けて努力してきたのは周知の事実ですが、北朝鮮のミサイル発射はこうした中国の外交努力を無視したものであり、中国政府が不快感を通り越して怒りを抱くのは当然でしょう
中国としては「自分たちなら北朝鮮をコントロールできる」と自負していたのかもしれませんが、そうはいきませんでした
仮に北朝鮮が人工衛星「光明星3号」を打ち上げるとしても、その目的が「金日成主席の生誕100年を祝うため」というのは納得できません。北朝鮮は地球観測衛星だと主張しているのですが、何を観測するのでしょうか?
解像度の低いカメラを積んで地球の画像を撮影しても、それが何かの役に立つとは思えません
国威発揚とか、北朝鮮の科学技術力(軍事力)を誇示するため、との説明も可能ですが、周辺諸国との関係悪化を無視してまでやる価値があるのか疑問です
おそらくは北朝鮮得意の瀬戸際外交というやつで、故意に事件を起こして緊張と対立を生み出し、それを外交交渉の材料にしようとの狙いがあるのでしょう
どのような思考回路を有しているのかは不明ですが
金正日が遺言に、「困ったときは事件を起こせ。アメリカを挑発しろ」と書き残したとも考えられます

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