日本の情報収集衛星を敵視する中国: 夾竹桃日記

2012年03月07日

日本の情報収集衛星を敵視する中国

日本の情報収集衛星については以前、韓国メディアが詳細な記事を掲載しているのを当ブログで紹介したところです

今日は｢中国網日本語版(チャイナネット)｣による３月５日付けの配信記事がなかなか興味深いので紹介します

自動車のナンバーまで識別できる？　北東アジアを見下ろす日本の｢スパイ衛星｣

この記事がすなわち中国政府の公式見解というわけではありませんが、中国が日本の情報収集活動をどう見ているのか、その感触が伝わってきます

しかし、自動車のナンバーを合成開口レーダーを搭載した「レーダー衛星」が読み取り可能だという記事の内容は誇張でしょう

合成開口レーダーが地上１メートルの物体を識別できるだけの分解能があったとしても、自動車のナンバープレートまでは識別できません

こんな与太話をどこから拾ってきたのか不明ですし、それを記事として掲載する意図はどこにあるのかと勘繰りたくなります

記事は日本の軍事活動が活発化しており、それを危険な動向だと警鐘を鳴らす目的があるのでしょうか？

言うまでもなく日本の情報収集衛星は北朝鮮の弾道ミサイルを警戒するためのものであり、北朝鮮が弾道ミサイルの発射準備をしているかどうかを監視するのが第一の目的です

しかし、記事の末文に「理論的には日本の『衛星情報システム』は全世界を監視する能力があるが、実際は本土を中心とする北東アジア地域を重点的に観測している」とわざわざ書かれているように、本土＝中国本土の監視を行なっていると指摘し、日本が中国を敵視していると強調したいようです

中国政府が日本を敵視しているのは周知の事実ですが、その上でさらに「日本が中国を敵視し、軍事衛星を使ってまで偵察しているのはけしからん」との思いがあるのでしょう

最近、中国の軍事支出が突出しているとの報道があったばかりで、中国の軍備増強が批判されるのを嫌い、「日本もスパイ衛星をいくつも打ち上げ、軍事活動を活発化させているではないか」と反論したかったのかもしれません

ちなみに中国がこうしたスパイ衛星を打ち上げ運用しているかどうか調べてみたのですが、光学センサー搭載の衛星をいくつも運用しているようです

日本の偵察衛星は脅威でも、自国のそれは別扱いのようで…

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