中国アニメ 美少女も結局日本風に

すでに何度も言及していますが、2010年に中国が制作したTVアニメは322本で延べ放送時間は2863時間にも及び、制作本数や時間で日本を上回り、世界屈指のアニメーション大国になりました
しかし、322本ものアニメーション作品がどのようなものか、日本で報道される機会はほとんどありません
日本のアニメーションではかっこいいヒーローや美少女が欠かせません
ならば中国のアニメーションではどのようなヒーロー像を描き、どのような美少女を造形しているのか気になるところです
中国メディアの記事の日本語版を検索していて、目についたのはあの「青青樹」の制作した「魁拔」について書かれたものです。劇場版アニメーションとして昨年中国で公開されたものの、コケてしまった「魁拔」についてまた取り上げるのも気が引けるのですが、他に材料がありませんので容赦願います


汝の矛で汝の盾を突けーー中国初の熱血アニメが日本にデビュー
そして、国際市場に進出するためには、青青樹は「NARUTO-ナルト」、「ワンピース」など日本や欧米市場で大変人気を博している少年向けの熱血作品の要素をも分析した。
分析の結果、第一の要素は造型の美しさだということが分かった。「キャラクターをきれいに描いたら、必ず日本スタイルだと思われる。そのため、私たちは、意識的に日本スタイルを避けるのではなく、まず美しさの問題を解決しようと決めた」と武寒青さんは語る。会社のウェブサイトで公開された「魁拔」の予告編を見れば、ヒロインの「鏡仙」は、日本のアニメ・漫画でよく見られる、目玉の大きな、髪の毛の長い美少女のイメージを彷彿させる。ほかのキャラクターのデザインにも日本アニメ・漫画のキャラクターの面影がないわけではない。ここからみれば、日本スタイルを意識的に避けず、作品全体の風格を統一しようとしているだけだということが読み取れる。


随分と回りくど説明をしていますが、パクったと書けば済む話です
「真似た」とか「模倣した」とかでもよいのですが、素直にそう書けないところに中国のアニメーション業界の抱える深刻な問題があるのでしょう
「魁拔」の内容を紹介する14分ほどの動画があります


ヒロインの「鏡仙」も含め、キャラクターの造形は日本アニメの手法そのままです
いかに「オリジナル」の要素をくどくどと説明したところで、見れば分かります
結局、中国のアニメーションファンから「日本風」だと批判され、観客動員は予想を大きく下回ってしまいました
作り手は「ドラゴンボール」や「ナルト」のような熱血バトルアニメを作ったつもりなのでしょうが、中国のアニメーションファンの心には響かなかったようです
上記の記事のようにいかに屁理屈を並べたところで、そこに見るべき物語がないと看破されたためでしょう
日本のアニメーションの美少女キャラは見た目だけでなく、実に個性的でユニークな存在であり、物語を構成する重要な要素でもあります
髪が長くて目が大きいだけでは、キャラが生きません。「青青樹」は日本のアニメーションを研究しているのでしょうが、まだまだ勉強不足のようです

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