文楽の危機 大阪市補助金凍結
文楽は日本が世界に誇る人形劇ですが、大阪市の橋下市長が補助金を凍結すると宣言したため、その活動に影響が出そうだと報道されています
橋下市長の劇薬効いた?…文楽界、内から改革、外から支援、でも喜ぶのはまだ早い
橋下徹大阪市長による補助金見直し問題で揺れ続ける文楽だが、平成26年度の観客動員数は11万7672人と、昭和59年に同劇場が開場して以来3位の記録を達成するなど好調だ。しかし橋下改革のベクトルは変わらず、市による文楽協会への現行の補助制度は今年度で廃止、27年度からは事業ごとの申請など新たな助成方法に転換する。そんななか、地元大阪のテレビ局が文楽公演を主催するなど民間から手を差し伸べる動きが活発化している。新たなファン層獲得なるか-。文楽を盛り上げようとする試みを探った。
来年度から現行の助成制度は廃止
そもそも、文楽の補助金問題は、24年、橋下市長が市から文楽協会への補助金の見直しを指示したことに始まる。伝統芸能というだけで文楽だけ特別扱いしない、集客の努力に応じて支給すべき、というのが理由だった。
橋下市長が就任する以前の平成23年度には、文楽協会は市から5200万円の補助金を受けている。
それが25年度からは、観客動員数の増減によって補助金の額が決まる「インセンティブ方式」が導入され、年度内に10万5千人を突破すれば文楽協会の運営費に充てられる2900万円が満額として支給されることになっていたが、約2160万円の支給にとどまった。
平成26年度は、4月に行われた人間国宝、竹本住大夫さんの引退公演が高い関心を集めたことなどもあって満願支給の条件を突破する約11万7千人を動員したものの、現行の補助制度は今年度で廃止され、来年度から新たな助成方法に転換される。
「厳しい現状」に変わりなし
橋下改革の是非については、文楽の技芸員からも「橋下市長の補助金見直しが一つのきっかけとなって、自分たちも文楽をもっと広く知ってもらうために積極的に動くようになった」と、補助金見直しそのものはともかく結果的に文楽界が活性化した、と受け止める声も上がっている。
確かに、駅構内やデパートのイベントスペースなど人目につくところで、文楽のデモンストレーションを行う機会が増えている。その成果は、大阪の本公演の観客動員数が大幅に増えたことで証明されている。
しかし文楽協会の三田進一事務局長は「来年度から協会への運営補助の2900万円がなくなってしまうことは非常に厳しい。このままではいずれ協会の運営は立ちゆかなくなる」と懸念している。
(産経新聞の記事から引用)
記事によれば公演による収入が大半を占めているのですから、補助金にどっぷり依存しているわけでなく、自助努力がなされているように見えます
が、橋下市長の目には自助努力が不十分と映ったのでしょう。また、文楽協会が天下りのポストとなっており、役員として天下りをした人物への給与や退職金の支払いに補助金が使われていると橋下市長が認識しているため、補助金凍結へと動いたのかもしれません
自分は文楽を語るだけの知識もありませんし、生の舞台を見た経験もありませんので、この問題をとやかく言う立ち場にないのですが、思うところを書きます
文楽は江戸時代の人々にとって娯楽であったのでしょう。それがいつの間にか伝統や格式を強調する伝統芸能になってしまいました
それを悪いとは思わないのですが、歌舞伎が伝統的な出し物だけではなく新作も取り入れたり、現代演劇とのコラボレーションを試みるなど、創意工夫を凝らしているのに比べ、文楽はどうなのかと思ってしまいます
調べてみると、脚本家三谷幸喜と組んで新作に乗り出したり、イエス・キリストの生涯を演じたりと、なかなか活発に取り組んでいるようです
【文楽】イエス・キリストの生涯
補助金削減をバネに関係者の奮起により、また新たな文楽の歴史を切り拓いてもらいたいものです
さて文楽とは異なりますが、昔はNHKの放送していた人形劇が好きで、よく見ていまし
た。NHK大河ドラマの「清盛」は不評のようですが、人形劇「平家物語」は忘れてはならない名作でしょう
人形劇「平家物語」最終回
一体ごとの人形の装束など、よくもここまで作り込んだものだと感心させられます
エンディングテーマである尾崎亜美の「「VOICE」も好きで、楽しみにしていました
ちなみにNHKでは人形劇を長年放送してきたのですが、昔はビデオテープが大変高額だったため、重ね撮りをするのが当たり前だったという事情もあり、「ひょっこりひょうたん島」や「新八犬伝」などの人形劇はNHKにも部分的にしか録画テープが残っていないのだそうです。実にもったいない話です
いまさら人形劇の復活を期待するのは無理なのでしょうが、緻密な演出のスタイルは日本のアニメーションに引き継がれているとも言えます(強引な結論付けですが)
ヨーロッパではいまだに人形アニメーションが根強く作られ続けていますし、最近の3Dアニメーションも人形劇風のキャラクター造形だったりするのは偶然ではなく、あきらかに人形劇を意識したものでしょう。リアルなキャラクターを3D画像で描こうとすれば、どうしても不気味なものになってしまうというジレンマがあるため、それを回避する手段として、人形劇風のキャラを選択しているわけです
最近紹介した韓国アニメ「空飛ぶ海賊 マテオ」はその例です(「紅の豚」のひどいパクリアニメです)
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