ワタミ社員過労で自殺 会長は無責任な言い逃れ
居酒屋チェーン「和民」を経営するワタミフードサービスが、従業員に過酷な労働を強要し自殺に追い込んだ問題を取り上げます
居酒屋「和民」の神奈川県横須賀市にある店に勤め入社2カ月で自殺した女性社員（当時２６歳）について、神奈川労災補償保険審査官が労災適用を認める決定をしたと報道されています
この決定についてワタミ会長渡邉美樹は、ツイッターで以下のようにコメントし批判を浴びました
「労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです」
ワタミ会長・渡邉美樹氏の自殺した女性社員に対するコメントに物議「社員の幸せが第一 労務管理出来ていないとの認識は無い」
まるで自分には責任がないと言わんばかりの内容です
補足しておきますと、自殺した女性社員が置かれた状況は以下のとおりです
(1)１週間の座学後、強制的に長時間労働
(2)最大７日間連続の勤務
(3)研修もまったくないまま、なれない大量の調理業務
(4)休日や勤務終了後もレポート書きに追われ、十分な休息時間がとれなかった
(5)体調不良を訴えていたにもかかわらず会社はなんら適切な措置をとらなかった
(6)さらに朝３時に閉店後も電車が動いていないため帰宅できずお店にいて始発電車で帰ることとなり、過度な疲労と精神的負担が蓄積された
これで渡辺会長は、「彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました」と発言しているのですから、呆れるのを通り越して怒りがこみ上げてきます
よくも「労務管理はできていた」と公言できるものです。これくらい面の皮が厚くなければ、企業経営などできないのかもしれません
結局、女性社員は月に１００時間を超える残業を強いられ、心身ともに疲れ果てた挙句マンションから飛び降り自殺をしてしまったのです
それを「残念」で片付けてしまう感覚には寒気すら覚えます
ワタミ会長の渡邉美樹は先の東京都知事選挙に出馬したり、ツイッターで政治問題や社会問題について積極的に発言しており、革新的な経営者のようにメディアで取り上げられたりするのですが、今回の社員自殺の件を見る限り信頼できる人物のようには思われません
テレビ番組「カンブリア宮殿」に出演した渡邉美樹はホスト役の村上龍に対し、和民の過酷な新人研修を自慢し、次のように発言してました
「止めさせないんです。鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる。そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えないでしょう。無理じゃなかったって事です。実際に一週間もやったのだから。『無理』という言葉は嘘だった」
まともな感覚の持ち主だとは思えません
なお、ワタミフードサービスのホームページには、「労災認定された勤務実態は事実と異なる」と不満が掲載されており、改善を約束する言葉は皆無です
自分は「和民」という居酒屋を１度も利用した機会がないのですが、今後とも利用する気にはなれません
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