中国政府がアニメ・漫画高級人材を育成へ

中国政府が「教育部と文化部による『アニメ・漫画高級人材合同育成計画』を始動させたことを明らかにした。同計画は、アニメ・漫画人材の育成モデルの革新および人材育成のクオリティーアップを目的とする」と、レコードチャイナが報じています
またか、と言いたくなるニュースですが取り上げます

政府がアニメ・漫画高級人材を育成へ―中国

すでにご承知だと思いますが、中国では大学の7割に漫画やアニメ関連の学科を設け、人材育成に乗り出していま
2007年時点で447の大学にアニメや漫画関係の学科が設置されたとの報道がありました
当時は、「中国は国がマンガやアニメ産業の育成に本腰を入れている。日本を追い抜くのは時間の問題だ」との主張があちこちで聞かれました
そして上記の報道のように、「人材育成に乗り出した」とのニュースが何度も流れています。何度も、とは結局のところこれまでの人材育成政策が効果を発揮しておらず、試行錯誤を繰り返しているからにほかなりません
具体的に中国の大学でどのような講義、演習が行われているのかは知りませんが、教える側の多くがプロのアニメーターやプロの漫画家であったとしても、それは中国国内でのレベルであり、優秀な指導者が大勢いるとは思えません(実際は美術教師から転じた者が大半を占めるようです)
日本からベテランのアニメーターが中国の大学に教えに行ったとの話もありますが、中国にあるすべての大学が優秀な講師陣を揃えているとはとても言えない状況なのでしょう
いかに中国政府の官僚が「高級人材育成計画」を作成しようとも、素人同然の講師たちに優秀な人材を育てるのは無理です
日本の場合、プロの漫画家のアシスタントになって修行するという方法があります
あるいは新人漫画家を出版社の編集担当が指導し、育てるケースも昔からあります
それとは別に、全国に数千もの漫画同人が活動しており、そこで楽しみながら漫画を描いている人が大勢いるわけです
中国の官僚がどんなに頑張ったところで、こうした多層的なシステムをすぐに構築できるはずもありません
たとえば、新人の才能を見極める目利きであるとともに指導力も備えた漫画の編集者を育てるのも難しいわけで、大学のマンガ学科を優秀な成績で卒業したからといって、優秀な編集者になれるとは限らないのです
大学でしかるべきカリキュラムを組み、教育すれば優秀な漫画家や才能あふれるアニメーターが山ほど生み出せるとの考え方そのものに問題があるようにも感じます
それで高級人材が育成できるのであれば、日本のアニメ制作会社が苦労して人材を育てる必要などないのですから
さて、話のついでにプロの漫画家がネームを切る様子が動画としてアップされていますので紹介します

プロの漫画家のネームの描き方



てきぱきとストーリーの展開を考えつつ、コマ割りを決めていくスピード感はプロならではしょう
もう1つ、プロの漫画家による作画のライブ映像を紹介します

桂正和先生『ZETMAN』作画映像を限定オンエア!(1/2)



こうした作業は座学では教えられないものであり、経験の積み重ねが必要でしょう

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