芥川賞作家田中慎弥 バカ売れ

第146回芥川賞を受賞した作家田中慎弥が脚光を浴び、その受賞作の売れ行きも好調だと報じられています
出版不況と言われる中で、芥川賞の効能をまざまざと見せつけられた形です

集英社は、27日から全国の書店で発売された田中慎弥さん(39)の芥川賞受賞作「共喰い」の発行部数が10万部に達したことを明らかにした。同社は「純文学作品としては異例の部数」としている。同社によると、初版は3万5千部だったが、予約が順調だったため、19日に1万5千部の増刷を決定。早めに売り場に並んだ東京都内の一部大型書店での売り上げも好調で、26日、さらに3刷5万部を追加した。
(共同通信の記事から引用)

受賞の際の記者会見で、「都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる」と不遜な発言をして注目を浴びたのも計算の上のパフォーマンスだったのかな、と思ってしまいます
そんな発言でもしなければ、中年で無職(まあ、本職は作家なのでしょうが)の男性が注目されたりはしません
さて、文芸書が売れない時代であるのはいまさら言及するまでもなく、著名な作家の新作でも10万部を超える売上を記録する例は皆無と言えます。100万部以上を売るのは村上春樹ぐらいです
年に2回芥川賞の選考は行われるのですが、最近はどうにも有望な新人作家はおらず、芥川賞の受賞作はそこそこ売れても第二弾以降はさっぱりというのが実情です
最近では西村賢太の「苦役列車」と吹真理子の「きことわ」が発売から注目を集め、印刷部数が10万部を超え、珍しくヒットしたと言えます
過去には綿矢りさの芥川賞受賞作「蹴りたい背中」が127万部も売れ、社会現象とも呼べるベストセラーが生まれたのですが、それに比べると何とも寂しい限りです
文藝春秋の3月特別号は芥川賞を受賞した田中慎弥と円城塔の作品が全文掲載されていますので、興味のある方は購読してみてください

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