「仙台にパンダを」 ジャニーズ事務所が寄付金活用
東北震災復興を巡って支援名目でさまざまな募金活動が行われたのですが、善意で集まったお金をどう使うかはなかなか難しい問題です
ジャニーズ事務所の近藤真彦社長は、復興支援プロジェクト「Marching J」の募金をファンらの目に見える形で使えると考え、仙台の動物園にパンダを誘致するための資金に回す方向で活動しているのだそうです
美談のようにも見えるのですが、「パンダ誘致のために募金したわけではない」との批判も寄せられていると、J-CASTニュースが記事にしています
「仙台にパンダ呼ぶため募金したんじゃない!」 ジャニーズ事務所の「復興支援」に批判
震災からの復興のシンボルとしてパンダを誘致すべきだとの考えもあるのでしょう
「被災者の心を癒すためにこそ、パンダは必要だ」と言う人がいても、何ら不思議はありません
しかし、震災からの復興のためにはパンダよりも優先すべき課題が山積しているのではないか、という現実論も無視できません
チャリティーコンサートなどでまとまったお金を集めたとして、それを赤十字に寄付するとか地方自治体に寄付するが手っ取り早い方法です。ただし、そうした寄付行為が目に見える形で残る可能性はほとんどありません
その他の寄付金と一緒に使われるだけです
ジャニーズ事務所のように、「目に見える形で残したい」と考えるのも理解できます
震災で壊れた学校の修復に充てるとか、使い方はいろいろとあったのでしょう
パンダの誘致に近藤真彦社長が動いたのは、彼がパンダ誘致が復興の役に立つと考えたとともに、中国政府との間に何らかのコネクションがあり、「自分なら誘致を実現できる」と自信があったからだと推測されます
結果として記事にあるような、「復興に使うと言って金を集めて、パンダに使うってのは使用目的を詐称してる」とか、「中国に金が流れるだけじゃねーか」、「被災者の為になる事に使えよ・・」などなどの批判を招いたのですが、これもやむを得ない話でしょう
すべての人が納得できるような寄付金の活用方法があるわけもなく、どう使おうが批判する人は必ずいるのですから
自分個人としては「パンダよりも他に優先すべき課題が…」と思ってしまうのですが、ジャニーズ事務所にはジャニーズ事務所の立場があり、ジャニーズ事務所の営業活動にもプラスになるよう考えた近藤正彦社長を批判しても始まらないと感じます
パンダはパンダであり、パンダに罪があるわけでもなく、それを利用しようとする人間の思惑に問題があるだけなのですから
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