「文明開化に失敗した李氏朝鮮」を認めない韓国史観: 夾竹桃日記

2012年01月15日

「文明開化に失敗した李氏朝鮮」を認めない韓国史観

ニュース

歴史観を巡っては日本と韓国で大きな隔たり、対立があります

これまでにも何度か取り上げてきたのですが、主たる争点は２つ存在します

１つは古代史において朝鮮の王朝がすべて優位であり、日本は劣っていたという韓国側の言い分です

２つ目は近代化を巡って日本と朝鮮でなぜ明暗が分かれたのか、という問題なのです

が、韓国では近年「朝鮮単独でも近代化は可能だったのであり、それを日本によって邪魔された」とする主張が大勢を占めています

何でもかんでも、「日本のせいだ」と決めつければそれで韓国人は満足なのでしょう

さて、韓国毎日新聞が日韓の近代化を巡って考察した本を紹介する記事を掲載しています。元記事が韓国語のため、いつものようにインターネットの掲示板「２ちゃんねる」に掲載された蚯蚓記者の翻訳を引用します

「文の文化と武の文化」～韓日の近代を分けた２つの文化

国の興亡や地域の盛衰を一つや二つの因果関係で説明することはできない。この本は近代化当時(188年代後半～1900年代初め)朝鮮と日本の交錯した運命を主流文化とそれから派生する対外認識の観点から説明する。

朝鮮は1800年代後半、急速に衰弱して日帝植民地になり、日本は1800年代後半‘脱亜入欧’を標ぼうして急速に強くなりアジアで唯一の帝国主義国家になった。

西欧的なものがみな正しいとか東洋の伝統が間違っていたということではない。ただし1800年代後半は全世界が西欧帝国主義の前に不甲斐なく崩れた時だったことに注目する必要がある。

朝鮮と日本のどちらも鎖国政策をとった。よく朝鮮を文の文化、日本を武の文化という。

朝鮮が文だけ崇めていたわけではなく、日本が文を排除したわけでもない。ただし朝鮮は文、日本は武が主流だったことを否定するのは難しい。

西欧列強の侵入の前でこのような文化の違いが全く違う結果を内包していた。

（中略）

丙寅洋擾と辛未洋擾で朝鮮は外勢を追い出したが戦闘では敗北したと見られる。少なくともフランスと米国の軍事的優位、科学と武力の優位を認める契機にはなるべきだった。

しかし、興宣（フンソン）大院君をはじめとする朝廷の大臣たちソンビたちはそのように考えなかった。

「いったい西洋蛮夷の銃と大砲がどれほど強いのか。武力を前面に出す者が盛んならば、どれほど盛んになるだろうか。彼らが前面に出すのはせいぜい銃刀と兵卒の力だけではないか。」というわけで朝鮮は丙寅洋擾と辛未洋擾を経ながらも鎖国に固執し、西欧列強という夕立ちが過ぎ去るのを待った。

1800年代の日本も朝鮮と同じように鎖国政策を標ぼうした。しかし朝鮮が丙寅洋擾と辛未洋擾で莫大な人的物的被害を受けても‘勝利’したと認識するのに比べ、日本はただ一度の戦闘で西洋の強大な力を看破した。

1853年初夏、日本の江戸に黒船4隻が煙を吐いて姿を見せた。当時、日本の船は大部分100t、200tである一方、米国人らが乗って来た黒線は2千500tにもなる旗艦だった。

米国提督フェリーが率いる艦隊であった。

鎖国政策を行った日本は開港を要求する米国の国書を断った。しかし、はるか海から撃つ米国艦隊の砲弾が陸地に飛んできて家と港を壊したのに反し、自分たちが陸地から黒船に向かって撃った砲弾はすべて海に落ちてしまった。大砲の力に日本人たちは西洋の力を見たのだ。日本は二言もなく敗北を認めた。

朝鮮の文すなわち、詩は人により違う解釈をする余地がある。これはロマンチックで、創造的であり、平和の時には国を豊かにする根元となる。

しかし武すなわち、刃物は勝敗が明らかだ。切った者と切られた者、産業資源と死亡者が克明に分かれる。乱世には筆を執ったひげの白い高尚な人より、刀を持って馬を走らせる武者が必要だ。

近代開港期は乱世であり、‘これも正しくて、あれも正しい’という高尚な人より‘勝敗が明確な’武人の姿勢が必要だった。このような認識のため至近距離にあった朝鮮と日本は開港時期にあって22年の違いが生じる。(朝鮮は1876年、日本は1854年開港)。この22年の間隙が両国の運命を分けるのに決定的な役割を果たした。(もちろんそれが全てでは決してない。)

西洋の力を看破した日本は開港後、西欧に多様な文化使節を派遣した。

政治、経済、文化、軍事、科学、法律などほとんどあらゆる分野に遊覧団を派遣して西欧の先んじた文化と制度、技術をスポンジのように吸い込んだ。そしてわずか20年後、米国のペリーが日本にしたように艦隊を導いて朝鮮の江華島近海に現れ開港を要求して武力示威を行い、不平等条約を締結した。

みな過ぎたことだ。しかも近づくことができることだ。

ソース：韓国毎日新聞(韓国語) [私の心の本]文の文化と武の文化

http://www.imaeil.com/sub_news/sub_news_view.php?news_id=2703&yy=2012

要するに日本と朝鮮の近代化の取り組み（港を諸外国に解放）はたった２２年の違いしかなく、わずかな違いだけであったと言いたいのでしょう

(もちろんそれが全てでは決してない。) と括弧書きされているのは記者の独白なのか、あるいは紹介されている図書の主張なのか、判然としませが

しかし、こうした歴史観はいかにも底が浅く、表面しか見ていないがゆえの主張でしょう

この「たった２２年の違い」という負け惜しみこそが、「朝鮮単独で近代化は十分可能だった」という根拠のない妄想へと駆り立てているのでしょう

そもそも江戸時代、庶民も含め多くの人が読み書きのできた日本と、一部の支配階級や商人しか読み書きができなかった朝鮮とでは大きな違いがあります

にも関わらずこの記事のように、「朝鮮は文の文化だった」と書き、朝鮮が高度な文化水準を有していたかのように誤魔化しています

そもそも朝鮮が高度が文化を有していたとの認識自体大間違いであり、物作りの土壌が甚だ劣っていた事実を無視した主張です

ペリーが日本に来航したのは１８５３年ですが、その７年後に薩摩藩と宇和島藩が相次いで蒸気船の建造に成功しています

当時の朝鮮に蒸気船を建造する能力があったとは思えません。金属の歯車１つ、作るのは困難だったはずです

蒸気船の建造は単に西欧の蒸気機関をコピーしたというものではなく、基本的な原理から学習し、さまざまな製造・加工技術を体得した上で達成されたものです

宇和島藩で蒸気船製造に取り組んだのは武士ではなく、提灯の張替えを生業としていた市井の職人です。宇和島藩は彼を長崎に派遣して勉強させ、知識と技能を習得させます。こうして物作りのための理論、技術を体系的に習得できたからこそ可能だったと言えるわけであり、長崎のような先端の学識を手にできる場のない朝鮮には無理な話です

鉄砲鍛冶、時計職人といった技能工が日本に存在し、金属加工の技術を有していたのも忘れてはなりません

韓国の歴史家はそんな日韓の技術格差を認めたくないのでしょう

あくまで日本の開港が２２年早かっただけ、と言いたいのが上記の記事からありありと伝わってきます

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