男の娘キャラが大活躍 中国のマンガ専門誌(角川書店刊)
角川書店が中国でマンガ専門誌を出しているという話は前にも耳にしていたのですが、特に関心もなく放置していました
本日、アジアなどのニュースを配信しているニュースサイト「KINBRICKS NOW」に、その角川書店のマンガ雑誌「天漫」に関するニュースを見つけたので、興味関心を示す方も少なからずおられるだろうと思い、紹介しておきます
中国版ガンダムが日本上陸?!鄭和の女体化漫画登場=角川中国誌『天漫』(阿井)
明の時代に活躍した海将鄭和を主人公としたマンガ「提督大人与迷失的七海結界」が取り上げられています
男の娘キャラという位置づけも微妙な気がします(鄭和は本物の宦官でした)
イスラム教徒の色目人(青い目の持ち主。漢民族でない、スラブ系かアーリア系?)のこどもとして生まれた鄭和は、数奇な人生を生きた実在の人物です
鄭和の祖先はモンゴルの帝国であった元に使える官吏であり、元の中国支配に伴って雲南に移り住み、そこで鄭和が生まれました
しかし、鄭和がこどもの頃、漢民族の王朝である明が元を追い払って雲南を支配し、鄭和は男性器を切り取られ奴隷として献上されたのです
中国の歴代王朝には青い目をした色目人の官吏がいて、それぞれ優れた功績を残しています。そのためこどもの鄭和も殺さず、生かして使おうと考えたのでしょう
文武に秀でた鄭和は永楽帝に重く用いられ、皇帝の姓である鄭を名乗ることを許されたのですから、いかに皇帝の信頼が厚かったのかが分かります
鄭和の名が歴史に記されたのは、彼が大船団を率いて遠くインド洋、アラビア半島まで及ぶ7回もの大航海をやってのけたからなのです
その鄭和の活躍を中国人マンガ家が作品にしているわけで、ちょっと興味が湧きます
ウェッブサイトで紹介されている画を見る限り、日本のマンガの影響を受けて萌えキャラ風になっていますが、中身はどうなのでしょうか?
さてこの中国のマンガ雑誌には、中国人マンガ家による「涼宮ハルヒ」や「ガンダム」も掲載されているそうです。版権を握っている角川書店の雑誌なので問題はないのでしょうが、「それでいいのか?」と思ってしまいます
既存のキャラや世界観を借りてマンガにするわけですから、まともに読める作品に仕上がるのは確実です。反面、独自の世界観・作風をもった中国人マンガ家が育つ芽を最初から封じているようにも見えるのですが
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