日本アニメの実写ドラマを熱く語る中国人記者

中国の「南方都市報」という新聞の記者が、日本アニメの実写ドラマについて記事を書いています
「おまえはどうしてそんなに日本のドラマに詳しいのか?」と突っ込みたくなるような記事です
なお、紹介するウェッブページの上半分はエレベーターの通風口から侵入しようとして身動きできなくなり、警察に逮捕された間抜けな男(なぜか紫のタイツ姿)の話であり、本題のドラマ評はウェッブページの下半分です


『人を傷つけ続ける「実写化」』
1937年の『江戸っ子健ちゃん』(原作者横山隆一 監督岡田敬 主演 榎本健一・中村メイコ)を皮切りに、日本の映画界はマンガ・アニメの実写化という道をひた走ってきた。その中には無論『のだめカンタービレ』『ハチミツとクローバー』といった成功作もあった


人気マンガやアニメの実写化の歴史から書き起こしています。誰も1937年の「江戸っ子健ちゃん」なんて知らないと思うのですが
以下、実写版「美少女戦士セーラームーン」の批判が続きます
視聴者の中心であるこどもたちは、実写版「セーラームーン」もアニメーション版「セーラームーン」も楽しんで見ていたのではないかと思います
それに大きなお友達(オタク的な嗜好をもった大人の男性)も、沢井美優や北川景子らが演じる美少女戦士の活躍、パンチラシーンに熱い視線を向けていたという事実もあります


続いて「名探偵コナン」の実写ドラマへの批判が展開されます
確かにドラマの配役には難があり、黒川智花は毛利蘭のイメージにそぐわない女優でミスキャストだと言えます
小栗旬より溝端淳平の方が工藤新一役には相応しいと自分などは思うのですが、これも原作マンガやアニメファンの間では評価が別れるでしょう
さらに主役である高校生探偵工藤新一(高校生)は大人の俳優でも演じられるのですが、小学生である江戸川コナンを演じられる子役を見出すのは無理ですから、どうしも工藤新一中心のドラマになってしまいます
もとよりアニメーションやマンガを忠実にドラマ化するのには多くの困難が伴いますので、そこを脚本と演出、CG技術などによってどう繕い、見せるかが工夫のしどころなのですが、原作至上主義者はそうした原作にないドラマ独自の設定は容認しません
原作に忠実ではなくても、それはそれで面白いドラマになるケースもあります
が、原作至上主義の人間にはとても我慢できないのでしょう
さて、記事では「小栗旬版のコナンの視聴率13.4%~11.9%に比べると、溝端淳平版はわずか8.5%。いわゆる”惨敗”というやつだ」と記者は書いています
そこまで細かな情報を追いかけている中国人記者の執念には驚き、同時に呆れてしまいます
さらに、日本のドラマはアイドルを主役に起用するのがお約束になっていると、芸能界の暗黙のルールにまで言及します
原作マンガやアニメーションファンの期待や評価はともかく、テレビ局は人気アイドルやタレントを主役に起用し、マンガやアニメーションを実写ドラマ化すれば「当たる」と信じているのでしょう
だからこそ無謀な企画を繰り返し、「原作殺し」と批判を浴びるわけです
今回取り上げた、日本のドラマについて熱く語っている中国人記者は、従来の中国メディアのような紋切り型に日本のサブカルチャーを低級な風俗と切り捨てたりはせず、正確な情報をもとにきちんと評価する姿勢を見せているところが意外でした
今後はこの記者のように見識を備えた人間が中国でも増えるのでしょうか?

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