「反貧困ブーム」の終焉
10月15日に「オキュパイ・トウキョウ」という宣伝文句で、「ウォール街占拠デモ」を真似たにデモが都内でも催されましたが、その後運動は続かず、格差社会是正のためのデモなのか、反原発デモなのか旗色もはっきりしないまま消滅しかけています
デモをやれと煽るつもりはありませんが、デモなんかやっても無駄だと諌める気もありません
ただ、そうした活動を何とか組織し、一定の方向へ導こうと画策している人たちを胡散臭く感じ、警戒する気持ちはあります
さて、J-CASTニュースのウェッブサイトに人材コンサルタント業の人物が、若者によるデモには活路がある、との指摘を書いているので取り上げます
10.15デモの空振りに見る「反貧困」ブームの終焉
「だから本当に意義のあるデモを起こすなら、仕掛ける相手は、雇用の格差を容認する連合や経団連であり、世代間格差を放置し続ける厚労省および、民主党から共産党までのすべての政党であるべきだ。社会を変えたいと願うなら、問題解決について自分の頭で考えるしかない。その際、右か左かなどというのはまったく意味のない論点で、今、若者が行うべきなのは世代間闘争である」と結論付けています
この意見に納得できる人がどれだけいるのでしょうか?
「若者」対「老人」とか、「非正規労働者」対「正社員」などというわかりやすい構図を描き、誰が敵であるのかを明らかにするというのは運動の初歩ですが、これで多くの若者が運動に参入し、世の中を変える力になるとは考えられません
世代間での富の格差を是正しろ、との指摘はともかく、良策があるのでしょうか?
「年金制度廃止」という過激な手もありますが、そんなことをしても年金の掛金を負担している若者たちは給料から引かれる1万円前後の掛金が浮くだけで、世代間の所得格差が解消したりはしません
年金を失った老人たちは若者の親でもありますから、若者は年金を失った親の生活を支える必要が生じます。これでは世代間の所得格差是正どころではないのです
あるいは非正規労働者が組織された労働組合にケンカを売って、どんな勝利が得られると言うのでしょうか?
労働組合は組合員から徴収する組合費を貯め込み、潤沢な資金があります
そうした組織力・資金力を生かして、各労働組合やその上部団体「連合」は何人もの国会議員を送り出しており、政治にがっちり食い込んでいるわけです
路上のデモだけでそうした組織を切り崩すなど無理な話です
路上のデモで数十万人を都心に動員し、首都圏の生活が麻痺するくらいのインパクトを与えられるのならともかく、数千人程度のデモで民主党が政権を投げ出すなどという事態にはならないのです
「何をやっても無駄だ」とシニカルな見方をするつもりはありません。まずは既存の政治のシステムを動かすところから始めるべきだと自分は思います
市議会議員を突き上げ、県議会議員に働きかけ、国会議員を利用するところからです
契約社員の身分を保護し、不安定な雇用状態を解消し、正社員が定期昇給やベースアップを受ける場合は非正規社員に対してもこれを実施するよう義務付けるべきです
働く者(非正規労働者)が報われない現在の雇用の仕組みに問題があるのですから、それを改善させるのが最優先の課題でしょう
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