中国のスクールバス事故 9人定員に64人乗る
発展途上国のニュース画像に、バスや列車に溢れんほどの人が載っている姿を見る機会がしばしばあります
あれで危なくないのかと訝ってしまうのですが、当然のように事故が起き、命を失う人が少なくないのが現実です
中国ではスクールバスに幼稚園児をギュウギュウ詰めにして乗せるのが日常の光景となっているそうです
そして9人乗りのスクールバス(ワゴン車)に64人もの児童を乗せて事故を起こし、大人を含む20人が死亡する事故が起き、中国メディアが大きく取り上げています
「神船のような宇宙船を幾つも打ち上げる中国が、スクールバス1つ、まともに配備できないのか?」との批判も寄せられています
その責任を所在を巡ってあれこれ議論があるのですが、いかにも中国らしい主張が飛び交っています
9人乗り送迎車に64人乗って事故で20人死亡2
事故を起こしたのは民間経営の幼稚園です。700人を超える園児を受けていれているのですが、送迎用バスは4台しかないそうです
送迎用バスは座席を外した状態で、1人でも多くの園児を詰め込めるよう改造したものだと報じられています
つまり最初から園児の安全など無視し、1人でも多くの園児を受け入れて儲ける方針で経営されていたのでしょう
さて、上記のブログでは「北京師範大学教育学部の袁桂林教授はスクールバスの安全管理は、公安が担うのか、教育部門が担うのか、はっきりした規定がなく、責任の所在が曖昧になってることや、義務教育法には『学校の安全』は謳っているものの、そこにスクールバスの規定がないこと等を指摘しておりました」とあるのですが、たとえ法律上の規定があったとしてもこどもたちの安全を確保できるのかは疑問です
幼稚園のスクールバスが定員無視のすし詰め状態というのは日常の光景であり、誰もそれを危険に思わず、問題にもして来なかったのでしょう
ましてや改善を図る気もなかったと考えられます
いまさら政府が補助金を支給した所で、その金が横領・着服されるのがおちであり、スクールバス確保に結びつく可能性はありません
「科学的社会主義国家の建設」という大義名分がたどり着いた先は、スクールバスすらまともに運用できない国だというわけです
スクールバスに限らず、中国全土の幼稚園が児童数に見合った教員の数を確保できているのか、施設の安全・衛生面は十分ななのか、問われなければならないはずです
そしてどれも十分ではないと予想されます
安全、衛生を度外視して経済発展のみを優先させてきたツケは、結局のところ中国の国民が支払わなければなりません
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