日韓合作アニメ「新暗行御史」(2004年)

「新暗行御史」は韓国の漫画を原作にしたアニメーションです(しんあんぎょうおんし、と読みます)
または韓国語の読みで「アメンオサ」とも呼ばれています
李氏朝鮮の時代に存在した官職の名称ですが、物語の中では諸国を巡って悪人を懲らしめる隠密のような役割になっています
「日韓友情年2005」のイベントとして、日本と韓国の合作という形で劇場版アニメーションが作られました

新暗行御史から



クレジットを見ると脚本やキャラクターデザインなどは日韓双方から担当者が出ており、バランスをとるために配慮したのでしょう
しかし、そんなバランス人事が作品のためになったのかは疑問です
舞台は架空の国であり、17世紀頃という設定ですが厳密なものではありません
何せ主人公が拳銃を主要な武器として使っているのですから
作品を紹介しているシネマコリアの表現はかなり控え目ですが、韓国側がこの作品に並々ならぬ期待をかけていたのは間違いありません


「新暗行御史」は月刊サンデーGXに連載されコミックも18巻まで出ましたので、韓国側としては劇場版アニメーションのヒットをきっかけに、「新暗行御史」の劇場版続編やらテレビシリーズ化といった展開を考えていたのでしょう
しかし、まったく話題にもならず、続編の劇場版制作の話もなく単発で終わりました
それならば韓国側だけで単独にテレビシリーズ化でもすればよいのに、と思ってしまうのですが、やはり制作資金の手当がつかないのでしょう。韓国のテレビ局が放映するだけでは採算が取れず、海外に売り込まなければ資金回収ができないと考えられます
劇場版を日本で公開してもヒットしなかっただけに、テレビシリーズ化したところで北米やヨーロッパに売り込むのは難しいと判断したのでしょう
これは韓国の劇場版アニメーションのいつものパターンです
数年の制作期間をかけ劇場版アニメーションを公開しても、ヒットしなければそれで終わりであり、後が続きません
スタジオジブリのように、毎年のように新作の劇場版アニメーションを公開して数十億円も稼ぐというビジネスモデルが韓国では成り立たないのです

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