平野復興相「バカなやつ」発言騒動

閣僚の言葉尻をつかまえて批判するというのは、野党時代に民主党が好んで使っていた手段です
その民主党が与党に転じたわけですが、今度は自民党から閣僚の発言について批判を浴びる結果になっています
平野達男震災復興担当相が東日本大震災の津波被害に関し、「私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカなやつがいる」と福島県二本松市で行われた参院民主党の研修会のあいさつで発言したため、物議を醸しています

平野達男復興担当相は18日、東日本大震災の津波被害について「私の高校の同級生で逃げなかったバカなやつもいる。彼は亡くなったが」と述べた。「事例を全部一つ一つ検証し、次の震災に役立てることが大きな課題だ」とも語った。
福島県二本松市での参院民主党研修会での発言。復興相はその後、記者団に「なぜ逃げなかったという思いがずっとあった。冷静に、客観的に話さなければならない時に個人的な思いが入ってしまった。不快な思いをした人がいたら心からおわびする」と陳謝した。
自民党の大島理森副総裁は18日夜、記者団に「閣僚として許されざる言葉だ」と批判し、20日召集の臨時国会で追及する考えを示した。
(日本経済新聞の記事から引用)

親友との間柄を考えれば、「なぜ逃げんなかったんだ。バカ野郎」と言う発言も真情をともなったものだと解釈はできます。しかし、まったくの他人が聞けば、「津波の被災者はバカ」だと言っているようにも受けとめられます
大勢の人達の前で発言するのですから、「親友が津波から逃げ切れずになくなった。悔しくて仕方がない」と言葉を選んで語ればよかったのに、そうしなかったところに問題があるのでしょう
民主党の興石幹事長は常日頃から、「政治家の発言の一部分を切り取って報道しているメディアの側に問題がある」と持論を語っている人物です
今回の騒動もメディアが勝手に作ったもの、だと言いたいのでしょう
しかし、根本的な問題は閣僚の発言の軽さにあります
私的な会合、個人的な付き合いの場ならともかく、党の公式な行事という場ですからあいさつ文の中身を事前にチェックし、吟味するくらいの慎重さがあったしかるべきでしょう
あいさつ原稿も用意せず、ぶっつけ本番で臨みアドリブで「バカなやつ」との発言をしたのではないかと推測されます
発言を巡る騒動がどうなるのかは分かりませんが、民主党としては何としても閣僚辞任だけは回避する方針なのでしょう。そうしないと「言葉尻だけを捕まえて閣僚のクビを飛ばす報道」が今後も繰り返される、と懸念しているのでしょうから

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