イランがロケットで猿を打ち上げ 失敗
イランの宇宙開発と聞いても、ピンと来る人はほとんどいないと思います
自分もその1人です
イランは有人宇宙飛行を目指しており、その第一歩として猿を載せたカプセルを打ち上げたのですが失敗に終わったと報道されています
イラン政府は12日、宇宙にサルを送る計画が前月失敗に終わったことを明らかにした。イランは同計画を有人宇宙飛行に向けた第一歩と位置づけていた。
イラン学生通信(ISNA)によると科学技術副大臣は記者団に対し、「生きた動物(サル)の入ったカプセルを乗せたカボシュガル5ロケットを(8月23日から9月22日にあたるイラン暦の)シャフリバル月に打ち上げた」と語った。「だが、予想された目的のすべてが達成されなかったため、打ち上げは公表されなかった」
科学技術副大臣は、生きた動物を宇宙に打ち上げることは「戦略的で優先度の高い」ことで、将来の打ち上げでは設定した複数の目標をもっと多く達成できるだろうと述べた。
イラン当局は今月3日、生きたサルを宇宙に打ち上げる計画を無期限延期したと発表していたが、その理由については説明していない。
イラン宇宙機関トップのハミド・ファゼリ氏は「このプロジェクトの期日を告げることはできないが、準備ができ次第発表される」と語った。
(AFPの記事から引用)
そもそもイランがなぜ、有人宇宙飛行を目指すのか理解できません
欧米に並ぶ宇宙開発能力を誇示して国威発揚に役立てたいのかもしれませんが、その必要があるのかどうかは疑問です
イランはやたらとアメリカをライバル視していますので、アメリカにイランの底力を見せつけてやろうと意気込んだ結果が有人宇宙ロケットの打ち上げなのでしょう
本来、ロケットで打ち上げるにしても通信衛星や気象衛星など、実用的な選択があるわけです
有人の宇宙飛行は確かにインパクトはあるのですが、それが直ちに何かの役に立つというものではありません。中国のように独自に宇宙ステーションを運営しようというのなら分かりますが
イランは有人宇宙飛行の先に何を目指しているのでしょう?
懸念されるのは、イランのロケットが核弾頭を搭載した弾道ミサイルに転用される可能性です
いまのところイランは「平和利用目的で宇宙開発を進めている」と説明していますが、いざとなれば大型弾道ミサイルとして軍事利用に転じる危険もあります
核兵器の開発と、それを運用する手段としての大型ミサイル開発は切り離せません
すでにインド、パキスタンも核兵器と弾道ミサイルを保有しており、イランも射程距離2000キロの中距離弾道ミサイル「シャハブ3」の発射実験を済ませています
この弾道ミサイルはイスラエルを標的として開発されたものと見られています
イランがさらに弾道ミサイルを大型化し、ヨーロッパや北米まで射程に収めるようになれば緊張が高まるのは確実です
中国にせよ、イランにせよ、宇宙開発の目的が不明朗であり、不気味に感じられます
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