ハリウッドが映画化すべき漫画5作品~米国サイトが選出

日本の漫画をハリウッドが映画化して酷評、というパターンについて何度か当ブログでは取り上げています
またぞろ、「アメリカのウェッブサイトによるハリウッドが映画化すべき漫画選出」との記事が見つかりましたので言及します


米映画サイトmoviefoneでは“ハリウッドで映画化するべき5つの漫画”と題して、日本の漫画を挙げている。
同サイトでは、今のハリウッドはアメコミの映画化に湧いているが、次のブームは“漫画”だろうと予測。ランキング形式ではなく、同列で5つの作品が挙げられている。
・園田健一「ガンスミスキャッツ」
賞金稼ぎのラリーとミニー、2人の女性がヒロインのアクションもの。同サイトでは「ラリー役は思いつかないが、ミニー役にはダコタ・ファニングが最適」と推薦。
・多田乃伸明「70億の針」
ハル・クレメント著「20億の針」を原案にしたSF漫画。こちらは「ヘルボーイ」シリーズや「パンズ・ラビリンス」(07)のギレルモ・デル・トロを監督に推している。
・モンキー・パンチ「ルパン三世」
言わずと知れた人気作、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロのクライムアクション「ヒート」(96)のマイケル・マン監督をイチオシ。「『ヒート』よりコミカルでセクシーになるはず」とのこと。
・矢沢あい「NANA」
2005年に中島美嘉、宮崎あおいで映画化された「NANA」もリストアップされた。人間関係は世界共通で場所は関係ないそう。監督には、「おかしな人選」と前置きしながら、2人の人間の会話を描くにはスパイク・リーが適任と述べている。
・鳥山明「Dr.スランプ」
鳥山氏の作品では、すでに「ドラゴンボール」が「DRAGONBALL EVOLUTION」(09)のタイトルで映画化され大不評に終わった経緯があるが、こちらは「Dr.スランプ」の製作にピクサーを推している。
同サイトには「ハリウッドでこれらの作品をうまく映画化できるとは思えない」「これまで映画化された作品を見れば、手をつけないでいて欲しいと思う」との否定的意見のほか「うまく作ってくれれば、とてもかっこいいものになる」との声が寄せられている。


思わず全文引用してしまいました
そもそもハリウッドが実写であれ、3Dアニメーションであれ、日本の漫画の世界をうまく映像化できるのか、疑問です
というよりも、ハリウッドの方法論で(アメリカ映画の文法で)表現された映画を観たいとの強固な願望がある、と受け止めるべきなのかもしれません
同時に、そうしたハリウッドのやり方に反発する漫画ファンも少なくのが現実です
原作をハリウッド流にアレンジ(ボロボロなまでに換骨奪胎)するのが彼らのやり方であり、原作のイメージや主人公のキャラクターなども平気で壊しまくります
「ドラゴンボール」の失敗から何も変わってはいないはずです
映画化するのであれば、「デス・ノート」のような作品の方が適切ではないかと思います
あるいは「ガラスの仮面」のような、舞台女優として成長する物語をシリーズ化したなら凄いなと思うのですが
もちろん、人気漫画が必ずしも映画に向いているというわけではありません
「おいしんぼ」を実写化して、ニューヨークの新聞記者が食べ物についての薀蓄を語りまくる映画など、嫌味の塊に映るはずです
それでアメリカの肥満問題やファーストフード依存を批判し、マクドナルドやケンタッキーを敵に回す勇気はハリウッドにないでしょう
さて、ハリウッドが映画化の権利を取得している日本の漫画、アニメは多くありますが、実写化は遅々として進みません。「AKIRA」のように監督が降板して頓挫している例もあり、実現は困難のようです
ネックになっているのは技術的な問題ではないでしょうし、製作資金でもないはずです
要するに脚本やストーリー構成の段階で、原作をどう活かすのか、あるいは原作とどう差別化するのかで揉めているのでしょう
つまり、「日本の漫画やアニメをどう映画化するか」という基本の部分で揺れ続けているのが現実であり、ハリウッドといえども日本の漫画を料理する方法に頭を悩ませているのだと自分は解釈します
せっかくの素材も、料理の仕方を誤ると台無しになってしまうのですから

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