日中合作アニメ「チベット犬物語」 興行は苦戦
この夏、中国では何本かの劇場版アニメーションが公開されたのですが、結果は外国作品に押され、中国産アニメーションの成績は芳しくなかったと報道されています
中国国産アニメ、多大投資するも興行振るわず “病”はどこにあると?
記事の中で紹介されている「蔵獒多吉」とは日本題「チベット犬物語」で、日本のアニメーション制作会社マッドハウスが手がけた作品です
キャラクターデザインに漫画家浦沢直樹も加わっています
「チベット犬物語」
作品そのものはマッドハウスが手がけただけにきちんと作られており、好感が持てるのですが、中国共産党と人民解放軍がチベットで住民虐殺を繰り広げてきた事実があるだけに、この作品を賞賛する気にはなれません
別の報道によれば、「『チベット犬物語』は、日本のマッドハウスが、中国のベストセラー小説から企画し、中国電影集団に提案、両国合作となった。日本と中国の制作分担を大まかに分けると、企画開発と原画を日本が、動画と仕上げをマッドハウス北京の提携先である、中国の慈文紫光(無錫)が行った。マッドハウス北京でマッドハウスと中国側の共同制作パートナーである中国電影集団との間で制作コーディネートを担った和泉氏によると、『チベットの景色や衣装、小道具をリサーチし、リアルに描写する苦心するだけでなく、国際共同制作に伴う苦労もあった。中でも、両国の商習慣の違いや中国での制作体制の構築は課題』であった」そうです
マッドハウスは中国に子会社を置き、中国産アニメーションの制作に乗り出しているわけですが、「チベット犬物語」は大失敗とは言えないまでも、成功したとは言いがたい結果だったのでしょう
中国メディアが、「日本のアニメを越えた」と宣伝していた「魁拔(KUIBA)」も上記の報道を見る限りコケてしまったようです(3作品で制作費が約28億7300万円であったのに対し、興行収入が2億3900万円だったのですから)
マッドハウスがわざわざ中国に子会社を置き現地化を試みているのですが、前途は厳しそうに見えます。何より中国政府のさまざまな規制があって、自由な作品作りができないのですから
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