日本サッカーのシンボル「八咫烏」は高句麗起源との主張: 夾竹桃日記

2011年10月01日

日本サッカーのシンボル「八咫烏」は高句麗起源との主張

日本サッカー協会がシンボルにしている三本足のカラスは、古事記に登場する「八咫烏」です

在日韓国・朝鮮人向けの新聞である統一日報が、この「八咫烏」を高句麗の国鳥であり、高句麗が起源だとする記事を掲載しています

建津之身＝味耜高彦根がどうして八咫烏＝三足鳥なのか

八咫烏とは三足烏のことで、高句麗の国鳥といわれる。熊野三山の熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社は八咫烏を祭神にし、日本プロサッカーのシンボルになっていて、日韓の本源争いまで生じているようだが、はるか以前に高句麗の国鳥であるから、本源はいわずもがなである。

では、その八咫烏であるタケツノミ（鴨建津之身命）＝アジスキ（味耜高彦根命）は、高句麗と関係する人（神）格なのであろうか。

問題は、タケツノミがどうして八咫烏と呼ばれたか、あるいは三足烏がどうして八咫烏と称されたかである。普通に考えれば、タケツノミを八咫烏と称して問題を複雑にするよりも、タケツノミの名のままでも、道案内には差し支えなかったと思われるのだが。

『日本書紀』によれば、大空から飛び降ってきた八咫烏を見て、神武帝は「この烏のやってくることは瑞夢に適っている。偉大なことだなあ。盛んなことだなあ。天照大神が我々の仕事を助けようとして下さる」と言った。ということはアマテラス（天照大神）が遣わした鳥ということになる。

『古事記』は「天の神の御子よ、これより奥にはおはいりなさいますな。悪い神がたくさんおります。今天から八咫烏をよこしましょう。その八咫烏が導きするでしようから、その後よりおいでなさい」という高木の神の命令を神武帝に教えたと記している。

（中略）

よく読んでみると、まったく意味不明の文章である。神武帝を出迎えたら、どうして八咫烏になるのか、中国では烏は太陽に住む鳥、とあって、高句麗がどうしてすっぽり抜け落ちてしまっているのか、などの説明がなく、文字明瞭、意味不明の文章というものである。

『歴史読本　神社に秘められた謎の古代史』（新人物往来社２００２年11月号）に、出羽修験の伝承があって、そのなかに、片羽が八尺ほどもある三本足の大烏が飛来して能除太子を山中に導いた。「羽黒」という名称はこの大烏にちなんで太子によって名づけられた。…三本足の大烏がここに登場するのは明らかに熊野修験の影響だろう。もちろん熊野の山中で行きづまった神武天皇の一行を導いた八咫烏を背景にしている。能除太子にまつわる伝承そのものは中世のあたりまでしか遡れないらしい、とある。（韓登）

統一日報 2011/09/28

http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=63994&thread=01r05

日本の神話を紐解いている記事なのですが、ならばなぜ三本足の烏が高句麗起源であるのか、その伝承や証拠については何も挙げていません

別の韓国系メディアの報道では、「平壌にある高句麗の始祖王、東明王陵の後方に広がる松の樹海。そこの真坡里古墳群の一角、７号墳から発見された『日像透彫金銅製装飾』は王冠の装飾品と推測されているが、この中央にも八咫烏が彫られていた。熊野三山に刻まれた八咫烏への深い信仰心は、東アジア随一の強国であった高句麗への尊崇の念を今に伝える証であろう」と書かれています

そもそも三本足の烏、という伝承は古代ペルシアからインド、中国、日本に到るまで広範囲に存在しています。これを「高句麗が起源である」と主張するのは無茶な話です

熊野三山における八咫烏信仰が「高句麗への尊敬の念」から生じたなどという主張に至っては笑い話にもなりません

日本の神話が「八咫烏」に言及する際、高句麗がすっぽりと抜け降りているのは問題だ、と統一日報の記者は何かを発見したがごとく指摘するのですが、そもそも高句麗は関係ないから登場しないのでしょう

高句麗時代の古墳の出土品に「八咫烏」が描かれていたとしても、「八咫烏」が神格として信仰される文化が朝鮮半島に根付いていたわけではありません.

千数百年にわたって神話として語られ、信仰として形作られてきた日本とは比べようもないのです

高句麗で「八咫烏」がいかなる表徴として用いられ、信仰され、文化を形成してきたのかを立証する文献でもあるのでしょうか？

古墳の出土品に「八咫烏」が刻まれていたという事実のみを振りかざし、起源を主張するだけで、そこには文化など存在しないのです

高句麗の開祖である朱蒙を主人公とした歴史ドラマを韓国が制作し、放送していたのですが、そのドラマが唯一の根拠なのかもしれません

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