アヌシーを制覇した韓国アニメーション「五歳庵」
カンヌ映画祭のアニメーション部門から独立して生まれたアヌシー国際アニメーション映画祭のコンペティション部門で、韓国は2002年に「マリといた夏」がグランプリを獲得し、2004年にも「五歳庵」でグランプリを獲得しています
日本の作品では過去に、宮崎駿監督の「紅の豚」と高畑勲監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」が長編部門でグランプリを獲得しています
国際的な賞の受賞はそれだけでも十分に作品のステイタスを高め、宣伝になるはずですが、「マリといた夏」や「五歳庵」が映画興行として成功したという話題は目にしていません
Youtubeに「五歳庵」の英語字幕版があったので紹介します
目の見えない10歳の姉カミと、5歳の弟キルソンが母親探しの旅に出て、その途中偶然出会った僧侶の世話により2人は山の中の寺で冬を越す、という物語です
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韓国の児童文学の名作をアニメーション化したものですが、どうにもストーリが重くて「親子で楽しめるこども向けアニメ」(朝鮮日報の表現)なのかは疑問です
真面目に作られたアニメーションであるのは確かですが、救いがありません。これでは視聴者も陰鬱な気分になってしまいます
興行結果がいまいちだったのも理解できます。原作を無視してでも、視聴者に何らかのカタルシスを与えるようなストーリー展開にすべきだったのでしょう
結局のところ、「マリといた夏」や「五歳庵」のグランプリ受賞も韓国の劇場版アニメーション隆盛には結びつかず、制作費15億円を投入した野心作「ワンダフルデイズ」の興行失敗によって韓国では劇場版アニメーション制作が途絶えてしまいます
日本が毎年、劇場版アニメーションを20本近く制作・公開しているのに、韓国では1本も作れないという状況になってしまったのです
民話的世界を題材にするにせよ、無国籍の近未来を舞台にしたSFにせよ、もう少し視聴者を楽しませ、満足させる工夫が必要なのでしょう。勘違いの作家性重視に走った自己満足アニメ(「ワンダフルデイズ」がその代表でしょう)では視聴者がついてきません
今年の夏、韓国で封切られた「庭を出ためんどり」は観客動員100万人を突破し、韓国の劇場版アニメーションとしての記録を更新したそうです
動物の世界を舞台に出会いや成長を描くというありきたりのストーリーですが、それでも視聴者が安心して観て楽しめたという点で大ヒットに結びついたのかもしれません
この結果を受け、再び韓国が劇場版アニメーション制作に挑む機運が盛り上がるのでしょうか?
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