台風15号 名古屋市で避難者に食料を配布しないミス
毎日新聞の記事によれば、台風15号の影響で105万人に避難勧告を出した名古屋市で、避難所となった高校の体育館に集まった住民に対し備蓄されていた非常食があったにも関わらず、市の職員がこれを配布しなかったそうです
台風15号:備蓄食あるのに配らず、空腹の一夜 名古屋市
食料をほとんど持たずに避難した無職女性(83)は「避難がいつまで続くか分からないのに、食料の情報がないのは不安だった」と話し、男性会社員(42)は「職員が誰もいない時間が長く、何も相談できなかった」と憤った。
市の対応に問題があったと言わんばかりの記事ですが、これはちょっと報道の扱い方が変です
地方自治体によって違いがあるのかもしれませんが、自分の理解している限り、避難勧告に従って指定された避難所へ行けばただちに非常食が配布される仕組みにはなっていないはずです
避難所で炊き出し、あるいは非常食の配布が行なわれるまで時間がかかるのは当然であり、その間に食べる物は避難者各自が持参した物で賄うというのがほとんどの自治体の対応です
つまり、備蓄されていた非常食を配布しなかった名古屋市の対応に問題があるのではなく、食料を持参せずに避難所へ行った市民の側に問題があったのです
「そんなバカな話があるか」と憤る方がいるかもしれません。が、避難時には当面の食料を持参するのが大原則です
避難所へ行きさえすれば、そこで水も食料も支給されるのが当たり前、と考えていたなら大間違いなのです
今回、避難所となった高校には「カンパン256食、おかゆ50食の備蓄食料」があったそうですが、量とすれば微々たるものです
300人に迫ろうとする避難者の数を見て、市の職員が配布をためらったのも理解できます。「これを配ってしまったら、もう何もない。次はいつ配布できるのか?」と考えたのでしょう
いつ起こるか分からない災害のため、名古屋市が数百万人分の非常食や水を備蓄しようとすれば、多額の予算を必要とします。市民税の引き上げが必要でしょう
避難するときは家族が1日食べられるだけの非常食、水を持参するのが鉄則です
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