暦の使用を裏付ける古代の大刀 古墳から出土

干支(えと)で570年を意味する「庚寅(こういん)」の文字を刻んだ象嵌大刀が見つかったと毎日新聞が報道しています

「庚寅」干支入り大刀:福岡で出土 日本書紀裏付け

当時の日本が暦を使用していた事実を示すとともに、日本書紀に記載された「百済に暦博士の派遣を要請、翌年、暦博士が来日した」との記述が正しいものだと推認させる根拠になります。同時に、日本書紀の記述全般が概ね当時の動静を正確に書き記したものだと考える根拠にもなるのでしょう
日本の古代史についてはまだまだ不明な部分が多く、古事記や日本書紀に書かれた内容がどこまで正確なのか、裏付ける証拠は決して多くはありません
が、これで少なくとも570年頃には鉄製の大刀を作る技術があり、鉄製の武具が使用されていたと言えるはずです
さらには日本書紀に引用されている百済本記の記述も、概ね当時の動静を正確に記録したものだと考えられます
百済本記は日本書紀にのみ登場するもので、実在すら疑われている歴史書です
前にも述べたのですが、古代の朝鮮半島に関する文献資料は現存するものが極めて少なく、高麗王朝の時代である1143年から1145年にかけて執筆された「三国史記」50巻が現存する唯一の資料です
朝鮮半島では幾つもの王朝が興亡を繰り返し、戦乱の中で歴史書・文献が失われてしまったのでしょう
日本書紀は720年に完成したものですから、その記述内容の信ぴょう性は別にしても歴史書としては貴重な存在です
漢書・後漢書といった中国の歴史書、百済本記といった朝鮮の歴史書を引用し、できるだけ資料に裏付けられた記述をしようとする姿勢が見られます(もちろん日本側の視点から描かれた歴史なのですが)
ちなみに朝鮮半島で散逸、消滅してしまった文献でも、日本に残っているものが多数あります
京都大学が編纂している資料には、「高麗から大韓帝国末まで、日本に伝来した朝鮮本の現存本を網羅。その〈集部〉三千部の書誌学的な基本データを便利な目録の様式で収載」しているのだそうです


これを見たら、「日帝が不当に奪った韓国の文化財ニダ。返還シル」と騒ぐのかもしれませんが

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