「里子虐待の声優」事件を考える3 虚栄と真実

預っていた里子を死亡させ逮捕された声優鈴池静容疑者ですが、周囲の目にはよき母親として映っていたようです
しかし、「リカちゃん電話」の声をやっていたと称しているのに、玩具メーカーからはそのような事実はないと否定されるなど、平然と嘘をつく人物であるのも確かです

里子虐待声優女 里親になってすぐに子を保育園に預けていた

記事の中に、「虐待などの理由から、親と暮らせない子供たちを家庭的な環境のなかで養育するのが里親制度の目的。一般的には、すぐに保育園に預けることはない。理解できませんね」と元児童相談所の職員がコメントしています
鈴池容疑者にすれば、里子を家に迎える前に思い描いていた生活と、現実とのギャップに悩んだ末の判断だったのかもしれません
しかし、一方で鈴池容疑者が求めていたのは里子の健全な成長とか、そのための献身ではなく、周囲からの賞賛や敬意という己の虚栄心を満たす評価だったとも考えられます
もちろん今回の事件で鈴池容疑者のこれまでの人生を全否定するのは避けるべきですが
日刊ゲンダイは鈴池容疑者の行動を以下のように説明しています

“里子”を殴って虐待した「リカちゃん声優」の異常心理
鈴池は、昨年、児童相談所に「成長が遅い気がする」「食事に時間がかかる」など相談していた。事件直前には自身のブログに育児の悩みをつづり、追い込まれていた。
子供に期待しすぎた“親”の悲劇だとすれば、“身近”な話かもしれないし、里子をうまく育て、自分のキャリアアップのために“利用”しようとしたのだとすれば、鬼である。

「早く食事を済ませ、後片付けも済ませて自分の時間が欲しい」と鈴池容疑者は考えたのでしょう
しかし、こどもにとって食事とは単に食欲を充たすためのものではなく、親から与えられた愛情を味わう機会であり、それを実感する時間でもあります
確かに幼児の場合は食事に手間がかかり、世話をするのが大変なのですが、その時間をこどもたちは楽しんでいるとも考えられます
母親の手を煩わせる=母親を自分のものとして独占しておけるのですから
鈴池容疑者は心理学を学んだそうですが、そんな基本的なことも理解していなかったのでしょうか?
鈴池容疑者にとって心理学も、キャリアアップのためのネタや手段の一つにすぎなかったのかもしれません

(関連記事)
里子を虐待・死亡させた声優に懲役9年の判決
里子を殴り殺した声優の事件を考える 続報
里親の声優が3歳児を殴り殺害した容疑で逮捕
大阪幼児餓死事件を考える1 厳しい家庭で育ったはずなのに
大阪幼児餓死事件を考える2 下村容疑者の生い立ち
大阪幼児餓死事件を考える3 こどもを抱えて迷走の果てに
大阪幼児餓死事件を考える4 遊び歩く母親
大阪幼児餓死事件を考える5 起訴前に精神鑑定
大阪幼児餓死事件を考える6 今も父は娘を拒絶
大阪幼児餓死事件を考える7 多重人格の可能性
大阪幼児餓死事件を考える8 多重人格を否定、起訴へ
大阪幼児餓死事件を考える9 下村早苗被告の裁判始まる
大阪幼児餓死事件を考える10 下村被告の実父が証言台に
大阪幼児餓死事件を考える11 中学時代にレイプ被害
大阪幼児餓死事件を考える12 控訴審でも懲役30年
16歳の娘を裸で縛り死亡させた母親
秋田児童殺害事件 畠山鈴香被告について考える
児童養護施設で女児強姦逮捕 神奈川


こどもの精神分析―クライン派・対象関係論からのアプローチ
岩崎学術出版社
木部 則雄

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by こどもの精神分析―クライン派・対象関係論からのアプローチ の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのトラックバック