大阪バラバラ殺人 夫が妻子を殺害

大阪市内の公園でバラバラに切断された遺体の入った一斗缶が見つかった事件で、近所に住む藤森康孝容疑者(57)が逮捕されました

大阪市天王寺区の公園などで切断遺体が入った一斗缶(18リットル缶)3つが見つかった事件で、大阪府警天王寺署捜査本部は23日までに、現場近くのマンションに住む同区東高津町、無職、藤森康孝容疑者(57)を死体遺棄容疑で逮捕した。遺体は同容疑者の妻と長男と判明。同容疑者は「一斗缶なんて捨てた覚えがない」と否認している。
同本部によると、同容疑者は2006年5月、「妻と長男が4月に失踪した。原因や動機は分からない」と自ら天王寺署に届け出ていた。捜査本部は遺体のDNA鑑定の結果などから、妻の充代(あつよ)さん(失踪届け出当時46)と、長男の庸了(のぶあき)さん(同21)と特定した。
捜査本部によると、同容疑者は「嫁は出て行ったきりで、どこでどうしているか知らない」と供述。約1年前から3つ目の缶が見つかったごみ置き場に隣接するマンションに住んでいたという。
逮捕容疑は充代さんの死体の一部を一斗缶に詰め、同区東高津町の「東高津公園」などに遺棄した疑い。一斗缶は昨年夏以降に遺棄されたとみられるという。捜査本部は庸了さんの死体遺棄容疑でも調べるほか、2人を殺害・切断した疑いがあるとみて捜査を進める。
事件は14日朝、清掃ボランティアの男性が同公園で異臭を放つ一斗缶を発見して発覚。中から人の頭部と2つの右足首が見つかった。その後、公園の西約100メートルの路上で2つ目の一斗缶が発見され、左右の手や数種類の骨片が、さらに近くのごみ置き場から回収されていた3つ目の一斗缶から左足首が見つかった。
司法解剖の結果、1つ目の缶にあった頭部は40~50代ぐらいの男性としていたが、その後の捜査で充代さんのものと判明。左右の手は庸了さんのものとも分かった。
(日本経済新聞の記事から引用)

藤森容疑者は家庭内のトラブルが原因で衝動的に妻と息子を殺害し、遺体の始末に困った挙句、バラバラに切断して一斗缶に入れ、しばらくの間は冷蔵庫に隠していたのでしょうが、これを近所の公園やマンションのゴミ置き場に捨てたため発覚したものです
詳細はまだ不明ですが、藤森容疑者が会社員として就労していた事実がありますから精神疾患の線は薄いと思われます(勤務先で異常な言動などが現認されていたのなら別ですが)
家族の間で何があったのか、藤森容疑者が供述しない限り立証は困難でしょう
公園で遺体の一部が入った一斗缶が発見された時は大騒ぎになり、「猟奇殺人」ではないかとする報道もありました
産経新聞の記事では、「現場周辺を取材した元兵庫県警刑事でジャーナリストの飛松五男さんは『発見しやすいところにわざと遺体を置いて、警察やマスコミを騒がせて楽しむという劇場型犯罪の一種』と分析する。一斗缶の1つが公園に置かれていたことから、『誰かに見つけてほしいという気持ちがあったのかもしれない』とする」などというコメントを載せていました
元刑事のコメントを批判しても仕方のないところですが、この事件を「劇場型犯罪」だ判断する根拠がどこにあったのか、と思ってしまいます
繁華街近くの公園で発見された一斗缶ですから、犯人は車を使ってこれを郊外に捨てに行くことのできない人物だと推測できます
つまり車を持っていない、運転しない人物であり、遺棄現場近くに住む人物です
劇場型の犯罪なら、警察やメディアに対する何らかのアクションがあったと考えられます。本件ではそんなものはありませんので、これを劇場型犯罪と呼ぶのは強引な判断でしょう
元刑事で現在はジャーナリストだそうですから、「オレがこの手で世間を騒がす劇場型犯罪の犯人を追い詰めてやる」と意気込んだ結果なのかもしれません

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