日本が作ったアニメ「アイアンマン」の評価
日本のアニメーションを実写版映画化するととんでもない駄作になる例を紹介したのですが、今回はアメコミのヒーロー、アイアンマンを日本のマッドハウスがアニメーション化した作品を取り上げます
アイアンマンはスーパーマンらと並ぶアメリカンコミックのヒーローで、これまでにも実写版の映画が製作されています
マッドハウスによるアニメーション化にあたっては版権を持つマーベル社からいろいろと注文が出て、苦労も多かったようです
マッドハウスが生み出したアニメ「アイアンマン」
大味なカートーン風ではない、日本風アニメによるリアルさを追求するとともに、13歳以下のこどもにも視聴できるよう暴力的なシーンを極力抑えるという難しい作業だったようです。アイアンマンが大活躍して敵を倒すだけなら簡単ですが、個々の登場人物の抱えるドラマを描きつつ、視聴者が大筋のストーリーを追えるよう展開させるのはかなり脚本・構成を練り上げる必要があったのでしょう
アイアンマンのアニメといえば、マーベル・エンターティメントによる作品が思い浮かぶ方が多いのでは
劇場版「アイアンマン」
いかにもアメリカのカートーンという画です。背景その他、主要キャラクター以外は随分とあっさりした画になっています
要するにアイアンマンの活躍を描けばそれでよいという作りです
マッドハウスのアイアンマン 予告編
従来の日本のアニメーションに比べると、かなり人物描写が濃い目になっています
北米での放送も織り込んだ作画、キャラクター描写なのでしょう
本編は次のようになっています
海外での評価は概ね高いようですが、日本ではあまり話題になりませんでした
日本のアニメーションファンにすれば、「アイアンマンのアニメ化ねえ。まあ、こんなもんじゃない」という反応でしょう
萌えアニメ全盛の日本で、「アイアンマン」が大ヒットする要素は最初からありません
ガンダムやエヴァンゲリオンのようなファン層が形成されている作品とも違い、あくまでもアメリカン・ヒーローの系譜ですから、日本にやってきた黒船というところでしょうか?
アイアンマンの世界観に共感しろと言われても無理であり、せいぜい主人公トニー・スタークのエロかっこいいオヤジぶりに惚れ込む人が興味を抱く程度でしょう
レビューには、「本格派SF洋画がアニメ上で動いている印象。吹き替えの人が同じ調子で演技しているため、やや硬い感じ。また日本を舞台にローカライズしていますが、軍隊が日常にあるアメリカ的な世界観に違和感を感じるかもしれません」と書かれていたりします
海外での評価については、いつもお世話になっている「誤訳御免!」さんのブログで2009年7月の記事として取り上げていますので、参考にさせていただきます
米国人気ヒーロー「アイアンマン」を日本がアニメ化の海外反応
あくまでも予告編に対する反応なので、本編を見た後ならまた評価は違ったものになったのかもしれません
アメコミを日本でアニメ化(萌え、ヤオイ…、その他の要素山盛りで)することに対する拒否感が存在するのも事実のようです。それは日本のアニメをハリウッドで実写化するのと同じものなのでしょう
原作の持ち味を壊されるのが不快であり、不満であるがゆえの批判です
マッドハウスのアイアンマンも、中国が安っぽいフルCGでアニメ化したものを想像すれば遥かに上等であり、鑑賞に耐えられると個人的には思います(DVDのボックスセットを購入して繰り返し視聴する気にはなれませんが)
日本のアニメーションを海外で実写化したり、アメコミのヒーローを日本でアニメーション化するのは止めにして、互いに棲み分けを図るべきだろうと自分は考えます
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