里子を殴り殺した声優の事件を考える 続報

この事件について、2度目の言及になります
前回は、「敢えて言うなら、自分の育児の成功体験だけを拠り所にした底の浅さが露呈した、とも指摘できます」と書きました
そう指摘すれば、逮捕された鈴池静容疑者(43)は、「私は心理学を学び、認定心理士の資格ももっている。こどもの心理にも精通している」と反論したかもしれません
確かに鈴池容疑者は東京女子体育短期大学、早稲田大学第二文学部表現芸術学科卒業で早稲田大学大学院公共経営研究科専門職学位課程修了し、公共経営で博士号まで取得しています
この早稲田大学第二文学部時代に心理学を学んだそうですが、そのきっかけは仕事のストレスで激やせし、当時勤務していた銀行を退職したのがきっかけだったと自身が明かしています
言うまでもありませんが、大学で心理学を学んだからといってもそれは座学であり、臨床経験を積む機会などありません
鈴池容疑者のブログはすでに閉鎖されてしまっていますが、そこには里子を預かってからの苦労、心境の変化が綴られていたようです

里子虐待の声優ブログで悩み漏らす

自分の行動に何か問題があるとは感じなかったのでしょうか?
問題があるとしても鈴池容疑者はそれを自分の内に求めるのではなく、こどものせいにしてしまっていたようです
つまり心理学を学ぼうが、公共経営学を学ぼうが、自分自身とは向き合おうとしてこなかったのでしょう
2005年の雑誌の取材で鈴池容疑者は、「学生、声優、経営者として八面六臂の活躍。『一度にたくさんの草鞋を履いても平気?』との問いには『私は『迷ったときはとにかくGO!』。あれを取るかこれを取るか迷ったら、とにかく両方やってみる。できなくなったらその時点で何が大切か考え直すことにしています」と書かれ、「その表情には確固たる自信が漲っていた」と表現されています
自信たっぷりなのは分かりますが、幼児を殴り殺しておいて何も考えなかったのでしょうか?
仕事も子育てもこなすデキる女性を演じていただけではないのか、と思ってしまいます

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