フランスの魔法少女アニメ「W.I.T.C.H.」は悩める十代

ここ最近は魔法少女モノと呼ばれるアニメーションを取り上げています
日本ではおなじみのジャンルなのですが、他の国ではどうなのでしょうか?
Wikipediaの説明によれば、北米で魔法少女モノのアニメーションがあまり人気を得なかったのに比べ、ヨーロッパでは大いに人気があったそうです
社会や精神風土の違いなのでしょうか?
今回紹介するフランスの魔法少女アニメ「W.I.T.C.H.」は、イタリアのコミックが原作なのだそうです
イタリアの漫画家エリザベッタ・グノーネによる原作をベースに、現在は7人の作家の混合作品でアメコミの作風と日本の漫画の作風を取り込み、ディズニーが出版している、とWikipediaに解説があります
どのような内容か、まずは観ましょう



学校で教師との折り合いに悩んだり、母親と意見が衝突したりと、悩める十代の少女の日常をベースにしています
魔法少女であってもそうした日常を抱えているところに、ヨーロッパの十代の視聴者は共感を覚えるのかもしれません
ヒロインの少女たちはそれぞれ、水や風、大地などの属性を持ち、その属性に応じた魔力が使えるようです
髪の色が赤だったり青だったりするのも日本のアニメーションのフォーマットを踏襲したもので、それぞれのキャラが描き分けられるようになっています(髪の毛を色で塗りつぶさず、艶まで描いているところも日本風です)




日本の場合、悪役の魔女は術によって若さと美貌を保っている設定がほとんどです
が、このアニメでは魔女は魔女らしく老婆の姿をしています。やはり魔女はかくあるべきとの思いが反映しているのでしょうか?
さらに彼女たちのコスチュームは地味すぎるほどで、フリフリの衣装でもなく、超ミニのセーラー服でもありません。実戦向き、実用本位という描き方です
加えて魔法少女モノのお約束である華麗な変身シーンですが、「W.I.T.C.H.」の場合はさほど凝ったものになっていません
この辺りも、「敵を前に悠長に変身している場合か」という批判を踏まえ、必要かつ最小限にとどめようとしているのでしょう
日本の魔法少女モノを踏襲しつつ、独自の路線を目指そうとしているようにも見えます
中国や韓国なら、コテコテの変身シーンを描き、「日本の作品に負けていない」と主張するのでしょうが
この先、ヨーロッパの魔法少女がどのように進化するのか、興味深い観察対象です

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