ＤＶＤ化されない幻の人気アニメ「ムーミン」: 夾竹桃日記

2011年08月08日

ＤＶＤ化されない幻の人気アニメ「ムーミン」

夏のイベントとして、山梨県立美術館ではムーミンの原作者として知られるトーベ・ヤンソンの作品展を開催するそうです

ムーミンファン必見！　作者トーベ・ヤンソンの全貌を紹介　山梨県立美術館に作品１７０余点

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110807/trd11080712010008-n1.htm

人気のあるアニメーション作品はビデオ、ＤＶＤ、ブルーレイで発売されるのが当たり前になっていますが、例外の作品もいくつかあります

「ムーミン」は１９６９年と１９７２年にテレビシリーズが製作され、人気を得た作品ですが、キャラクターデザインがオリジナルである絵本の挿絵と大きく異なっているとの理由で、原作者であるトーベ・ヤンソンの意向によりビデオやＤＶＤで発売されないまま現在に至っています

テレビシリーズ製作にあたっては原作者トーベ・ヤンソンとの間で、「日本国内での放送にとどめる」との取り決めを交わしたのだそうです

ムーミンのオリジナルデザイン

http://www.toei.co.jp/event/exhibition/1190361_1000.html

オリジナルのムーミンは目が小さく、顔が長くなっています

日本では当初、オリジナルに近いデザインのムーミンをテレビシリーズに登場させたのですが、こどもたちには「怖い」と不評でした

そのため目を大きくして、顔を丸くしたアニメーション独自のキャラクターデザインに変更されました

おかげでテレビシリーズは人気を得たのですが、原作者であるトーベ・ヤンソンは納得できなかったようです

もちろん原作者には原作者のプライドがありますから、アニメのムーミンを認めない姿勢は何ら批判されるものではありません

しかし、１９６９年版で全６５話、１９７２年版で全５１話にもなるコンテンツがビデオソフト化されないまま埋もれているというのは、実に惜しい話です

１９９０年からは「カルビスまんが劇場」とは別のテレビシリーズ「楽しいムーミン一家」が製作・放送されました

こちらにはトーベ・ヤンソンが製作に加わっています

ムーミンと言えばこの「楽しいムーミン一家」の方を思い浮かべる人が多いのかもしれません

日本のアニメーションでビデオソフト化されていないものとして他には、「サザエさん」があります

４２年も放送されている「サザエさん」は総製作話数６４００話を超えますが、これまでに１度もビデオソフトとして販売されていません

原作者長谷川町子とその遺族の意向によるものなのだそうです

中国や韓国がいかにアニメーション製作に力を入れようとも、４２年もの間テレビで放送され続けるコンテンツを生み出すのは不可能でしょう（アメリカのＦＯＸテレビが製作する「ザ・シンプソンズ」は１９８９年から放送が開始され、４８０話以上にもなる人気シリーズであり、アメリカのアニメ史上最長記録を更新中ですが、「サザエさん」の記録には及びません。韓国メディアは「ザ・シンプソンズ」を韓国のアニメーション作品だと紹介する記事を書いていましたが、脚本や演出などはアメリカのスタッフが手がけており、韓国は動画の製作を請け負っているだけです）

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