貞子も登場 タイのホラーアニメ「ナーク」
前回はドイツの吸血鬼アニメを紹介しましたが、今回はタイのホラーアニメです
2008年に製作された劇場版3DCGアニメーションで、さまざまな妖怪と闘う女性(彼女も妖怪)を主人公にしたストーリーなのですが、なぜか妖怪の中には貞子も含まれています
井戸の中から這い出してくる白い着物の女性というのが、タイの人たちにとっても相当怖い印象を与えたのでしょうか?
タイアニメ「ナーク」
腕が伸びる主人公のナークは「ワン・ピース」のルフィのようです。日本の作品の影響もあるのでしょう
オープニングで、村のガキ大将がジャイアンそっくりなので吹いてしまいました
ブログの記事とコメント欄によれば、ナークはタイでも有名な民話で、悲恋の結果霊となった女性であり、これまでに何度も映画化されているのだそうです
それを敢えてアニメ化するため、都会の妖怪と田舎の妖怪の闘いという設定にし、話を盛り上げようとしたのでしょう
劇場版アニメーションの場合、日本でも世界を救う話という設定が多用されます
作画そのものはまだまだ稚拙で、1つ1つのシーンが単純すぎます。もっと創り込まないとタイのアニメーションファンにも退屈に見えるのではないでしょうか?
貞子とナークのバトルも見せ場のはずですから、もっと工夫が必要です。ナークの能力が腕の伸縮だけなら、それが生かす闘い方を考えないと
また、脇役キャラたちのバトルシーンは長すぎです
コンピューターソフトを使えばどこの国でもアニメーションが作れる時代ですが、だからと言ってソフトを使いこなすだけで面白いアニメーションは作れるほど簡単なものではありません
日本のアニメーターは登場人物をどんな構図、アングルで描くかを考え、1コマで魅せるだけの画力を持つのですが、この「ナーク」の場合はそれだけの表現力が感じられません
さらに、上でも書いたようにバトルシーンが長い割にグダグダでメリハリがなく、何を見せたいのか散漫になっています
きちんとした脚本と綿密な演出プランが必要でしょう
タイのアニメーションがこの先、どのような方向を目指すのかは分かりませんが、劇場版を1本製作した経験を今後に活かしてもらいたいものです
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