中国高速鉄道事故 人為的なミス

中国の高速鉄道による事故関連の報道が続いています
事故現場で損壊した車両を突然、土の中に埋めるというとんでもない対応に出たり、事故被害者の人数が途中でうやむやにされたり、中国政府の対応は常軌を逸したものばかりです
そんな政府の態度に、中国の国民は不信感を募らせているのが伝わってきます
高速鉄道網の整備を推し進めてきた胡錦濤体制にとって、事故への批判は政権への批判に結びつくだけに対応に苦慮しているのでしょう


香港紙「東方日報」は、中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故を巡る鉄道省の対応を批判した中国中央テレビ(CCTV)の報道番組担当プロデューサー、王青雷氏が停職処分を受けたと伝えた。
この番組は中国屈指の著名キャスター、白岩松氏が務めており、白氏も26日の番組で事故車両を現場で埋めたことなどを批判していた。
王氏は処分前、ミニブログで「強権を恐れない記者が一人でもいれば、その国にはまだ魂がある」などと書き込み、ネット利用者の間で共感が広がっていた。中国指導部はメディアの鉄道省批判が強まれば、事態の収束が進まないことを懸念しており、処分はメディアへの監視強化の一環とみられる。
(毎日新聞の記事から引用)


言うまでもなく、中国政府にとっては事故原因の究明などどうでもよい話であり、いかに国民の目をこの事故から隠蔽し胡錦濤体制への批判をかわすか、が重要な課題になっています
鉄道関係者を数人更迭し、処分することで「事故責任者を処罰した」という形を取り繕ったわけですが、国民の不信感や怒りが収まりそうにありません
次はどんな手を使うのでしょうか?
南沙諸島の領有権を巡って対立しているベトナムを挑発し、軍事衝突でも起こして中国国民の目をそちらに向けさせようとするのかもしれません
あるいは尖閣諸島に漁船を偽装した中国海軍の船を送り込み、日本との間でトラブルを勃発させ、中国国民の怒りの矛先を日本へ向けさせようとする可能性もあります
中国では地方政府や企業などに対する暴動が年間1000件ほど発生しており、これを抑え込むのに多額の予算と人手を注ぎ込んでいるのが実情です
武警と呼ばれる治安警察組織は国民を守るために存在するのではなく、国民を取り締まり、暴動を鎮圧するために存在し、予算額は2009年度で6兆円を超えています
日本の防衛予算は約5兆円ですから、中国の治安警察がいかに大規模なものであるかが分かります
中国政府は今回の鉄道事故に関する国民の怒りが各地に飛び火し、胡錦濤体制への批判を表明するデモ、暴動となって拡散するのを恐れ、警戒しているのでしょう
本来なら事故原因をきちんと明かし、対策を講じることで国民の理解を得るべきなのですが、中国政府はそんな手順を踏むつもりなどないと思われます
検察当局が捜査を開始したとも報じられていますが、裁判になったとしてもそれは国民の目を欺くためのパフォーマンスとして利用されるだけでしょう

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