英国女性殺害 無期懲役判決にも市橋被告は無反応
英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーを殺害し、逃亡を続けた末に逮捕された市橋達也被告に千葉地方裁判所は無期懲役の判決を言い渡しました
法廷の市橋被告は刑の言い渡しに無反応だったと報じられています
(引用元記事が削除されました)
取り調べ段階で事件に関する供述を拒んだ市橋被告は、法廷の場で「殺意はなかった」と発言していました
しかし、裁判官は市橋被告の主張(あまりのこじつけと、自己の都合よく事実を置き換えた供述内容)を「信用できない」と退けています。当然でしょう
さて、あらためてこの事件の意味は何であったのか、考えてみましょう
形の上では市橋被告が一方的にリンゼイさんに迫り、強姦をしたものの、このままリンゼイさんを帰せば事件になるかもしれないと恐れ、「殺すしかない」と思い詰めて殺害してしまったように見えます
事件の原因、犯行の理由というものを考えるならそれで説明がつくのかもしれません
ですが、事件の意味はもっと別のところにあったのだろうと自分は推測します
おそらく市橋被告が捜査段階で頑なに供述を拒んだのは、裁判を有利に運ぶためだけではなく、彼の犯行の根底には自身の容貌に関する強固なコンプレックスがあったからだろうと仮説を立てます
自身の容貌についての悩みであり、劣等感ですから、それを警察官や検事に語る気にはなれなかったのでしょう
市橋被告は容貌に劣等感を抱いているなどと自ら語るつもりはなく、それを認めたくもなかったはずです。ましてや他人からも指摘されたくもないはずです
もし市橋被告と面接する機会があったなら、「君は容貌についてコンプレックスを抱いているのではないか?」と正面から問いかけたでしょう
当然、市橋被告はぶち切れ、激怒したはずです
あとは怒りに駆られ、溜まりに溜まった鬱憤をぶちまけたかもしれません
その反応がすべてを物語っています
容貌に関する悩みは強迫神経症の中でもポピュラーなものであり、精神病ではありません
市橋被告は大学の医学部への進学を希望しながら失敗しており、その挫折が自らの容貌に対して悩み始めるきっかけになったとも考えられます
手許にある鍋田恭孝著「対人恐怖・醜形恐怖」(金剛出版)によれば、醜形恐怖の多くは思春期の何らかの挫折体験がきっかけで発症するケースが多いと考察されています
市橋被告はリンゼイさんに対して「殺意はなかった」と強調していますが、本当はどうだったのでしょう?
女性が強姦されそうになったら死に物狂いで抵抗するのは当たり前ですが、市橋被告にはそれを「自分を拒絶している=自分の容貌を拒絶し、毛嫌いしている」と受け止めたのかもしれません
当然、市橋被告の心の中には自分を拒んだ女性に対する怒りと殺意が沸き起こった可能性があります
市橋被告が外国人女性を愛着の対象として選んだ理由は不明ですが、おそらく自分の容貌は日本の女性に受け入れられない→外国人女性なら別の見方をしてくれるかもしれない→外国人女性の恋人がほしい、という考えがあったとれば、リンゼイさんの拒絶は市橋被告の期待、あるいは願望を踏みにじるにも等しいものだったと言えます
事件になるのを恐れてリンゼイさんを殺したのではなく、「外国人女性なら受け入れてくれるかもしれない」という市橋被告の内なる願望が砕かれ、拒絶されたからこそ「殺してやる」と思い実行したと説明した方が納得出来るのですが
市橋被告がリンゼイさんを殺害した後、整形手術をして顔を変えたのは逃亡を続けるためだけではなく、容貌に対するコンプレックスのためだったと考えられます
市橋被告は出版した手記でもそんな話は書いていないのでしょうし、法廷でも語ろうとはしませんでした。自分の心の内奥にあるものと向き合おうとはしないままなのでしょう
(関連記事)
市橋容疑者を知り尽くした捜査員が取り調べに
英国女性殺害 市橋容疑者の黙秘
英国女性殺害 市橋容疑者の拒食
英国女性殺害 市橋容疑者の憂鬱
英国女性殺害 市橋被告逃亡生活手記出版へ
英国女性殺害 市橋被告の裁判始まる
英国女性殺害 市橋被告の身勝手な主張の数々
英国女性殺害 市橋被告「逃げるのは当然」
英国女性殺害 市橋被告に無期懲役求刑
大阪民泊女性殺害を考える バシリエビチ容疑者は黙秘
大阪民泊女性殺害を考える バシリエビチの正体
今度は千葉大医学部生が集団強姦 3人逮捕
地検から強姦容疑者逃走 神奈川
神奈川の逃走犯確保 友人が逃走幇助
神奈川逃走事件 杉本容疑者の言い分
ゴーン逃亡 弁護士・裁判官の責任