フランスの近未来SFアニメ「ルネッサンス」が渋すぎる
世界的なアニメーションの映画祭、コンペがいくつかありますが、日本のアニメーションが賞を獲る確率はあまり高くありません
商業的に成功している日本の劇場版アニメーション作品はコンペティションにエントリーされても、受賞を逃すのがしばしばです
2007年には細田守監督の「時をかける少女」がアヌシー国際アニメーション映画祭のコンペティションにエントリーされ長編作品特別賞を獲得していますが、グランプリは逃しています
今回紹介する作品は2006年にグランプリを獲得したクリスチャン・ヴォルクマン監督の「ルネッサンス(Reneissance)」です
日本のアニメーションとは異なる感覚、美意識で作られた劇場版アニメは、かなり渋くてマニアックな作風です
大変な力作であるのは認めますが、この作品世界についてこられる視聴者が果たしてどれだけいるのだろうか、と思ってしまいます
「Reneissance」予告編
予告編だけがモノクロだというわけではなく、全編がモノクロの動画です
2054年のパリを舞台に、誘拐事件が発生。警察が事件を追うと、そこには新薬開発に絡んだ陰謀が存在して…というストーリーです
しかし、モノクロの映像は見ていて疲れます。我々の視覚はカラーの画像に慣れきっているため、モノクロの画像をカラーに置き換えて脳で認識する作業を実行するためなのでしょうか?
映像は背景をCGで描き、登場人物たちは実際に舞台俳優に演技をさせ、モーションキャプチャーで取り込んだものを合成させています
そのため、目の動きや表情の変化などは生身の人間のようにリアルです
ただ、それが特別に目新しい世界というわけではありません
製作期間が10年に及んだそうですから、完成までの間に我々はさまざまな映像体験を重ねており、「ルネッサンス」の画像にさほど新鮮味を覚えなくなったのかもしれません
日本で「ルネッサンス」は2007年に劇場公開されたようですが、ほとんど話題になりませんでした
前にも紹介したフランスのフルCGアニメーション映画「ケイナ」の場合も同様に、作家性が突出するあまり、エンターティメントとしての魅力はあまり感じられません
こうした激渋の世界が好きな人達もいるのでしょうが、自分にはきついと感じます
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