中国人民解放軍宣伝アニメ「正義紅師」

テレビ放送向けだけがアニメーションではありません
中国では政治宣伝工作目的で作られるアニメーションもあります
「正義紅師」は人民解放軍の八一電影制片廠(August First Film Studio)が製作に関わっている作品です。反日プロパガンダの映画など作っている政治宣伝教育部隊とも言うべき部署のようです

「正義紅師」



中国では「人民解放軍」ブランドの戦車のプラモデルや兵士のフィギュアが販売されているのだそうです
「正義紅師」も、そんな販売戦略の一環として作られたアニメーションだとも考えられます。上記の動画は2009年製であり、テレビシリーズや劇場版の存在を示唆する情報は見つかりませんでした
さて、動画の中身ですが随分と近代化された人民解放軍が登場します
実戦なのにゴーグルで目を保護せず自動小銃を撃ちまくるシーンがあったり、ヘリコプターが対戦車ミサイルで飛んできた敵のミサイルを撃ち落としたりと突込みどころは多々あります。ヘリコプターは神がかり的な操縦で敵のミサイルを避けまくっていますが、赤外線追尾式の対空ミサイルならあのような操縦で避けられないでしょう
さらに人民解放軍の兵士は自動小銃を手にしているだけで、実に身軽です
自動小銃の予備の弾倉を幾つ所持しているのかは分かりませんが、動画のように撃ちまくったのならすぐに弾切れを起こし、補給もないので簡単に殲滅されてしまうでしょう
また、敵はロボットですが、自動小銃の弾が当たっただけで簡単に破壊されてしまう脆弱さであり、これでは何のためのロボット兵士なのか分かりません
人質になっている少年を救出するシーンもありますが、通常なら人質の回りにトラップを用意し、迂闊に近づけば仕掛けられた爆弾が起爆するでしょう
戦場のリアルさを追求した動画に見えますが、実に杜撰です
それでもYoutubeの動画には多くの中国語の書き込みが溢れ、人民解放軍賛美が綴られています。この動画に熱狂している中国人が大勢いるのが分かります
カッコイイ、近代的な人民解放軍の姿が嬉しくてたまらないのでしょう
実際のところ、人民解放軍の役割は侵略してきた外部の敵を叩くことではなく、暴動を繰り広げる中国人の鎮圧・粛清です
武器を持たない人民を戦車で踏み潰すのが彼らの役割です(Youtubeのコメント欄にも英語で「天安門かよ」と書き込まれています)

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