原発の責任を巡って小学生が議論 毎日小学生新聞
毎日新聞の発行する「毎日小学生新聞」に東京電力社員のこどもと称する小学生からの手紙が掲載され、原子力発電所問題を巡って議論が起こっているようです
東日本大震災:東電社員の子からの手紙、毎小編集部に反響続々
東京電力の社員のこどもや経済産業省勤務の官僚のこどもまで参加し、ちょっとできすぎたメンバーによる議論になっています
もちろん、それぞれが投書という形で意見を述べているだけですので、議論はかみ合っていませんし、論点も偏りすぎているきらいがあります
◆僕のお父さんも東電の社員です。お父さんが原発に行くときは、とても心配です。たしかに東電にも責任はあるけど、全面的に東電に責任をおしつけているのはすごくいやな感じです。
責任をとらないといけないのは、国だと思います。国と日本人が便利を求めているから、原発が必要とされたのです。(横浜市立汲沢小・6年)
「国が責任を取るべきだ」との主張は大人でも平気で口にします。しかし、「国」とは何かを考えれば、それは国民全体と言うほかありません。「国が補償しろ」と主張する人は国からお金をもらうことしか考えていないわけですが、そのお金は国民が納めた税金です
国に責任があるとする考え方は、安易に責任を他に転嫁するものだとも言えます
本当に東京電力、原子炉メーカーに過失がなかったのかどうかきちんと検証もせず、国に責任があると主張する小学生の発想は笑って見過ごすわけにはいきません
もちろん小学生に「原子炉メーカーの責任を検証しろ」と要求するのは無茶な話ですが、「責任をとらないといけないのは、国だと思います。国と日本人が便利を求めているから、原発が必要とされたのです」と単純に決めつける発想は実に危険なものです
この小学生は父親が東京電力の社員ですから、ひたすら「東京電力に責任がない」と主張したいのであり、東京電力の責任を直視するつもりは皆無なのでしょう
「国に設置基準に基づいて電子力発電所を建設した。国の保安基準に基づいて安全対策も講じた。今回の津波を想定されなかったものだから、東京電力に責任はない。想定しなかった国に責任がある」というのは、繰り返し報じられた東京電力の主張です。小学生の意見はこの東京電力の言い分そのままです
おそらく家の中で、父親から会社側の主張を繰り返し吹き込まれた結果なのでしょう
毎日新聞は「こどもたちが真剣に議論をしている」と思い込んでいるようですが、互いに意見を投稿し、披露しているだけであってかみ合っていません
議論にすらなっていないと言えますし、何の結論も生まれないはずです
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