千葉女子大生遺棄事件を考える1 遺体を捨てる理由
千葉県木更津市の林道で全裸の女性の遺体が発見され、殺害されたのは千葉商科大学2年生菊池果奈さん(19)と判明しました。そして交際相手であった本田祐樹(24)が逮捕されました
本田祐樹被告は2011年6月10日午後11時半ごろ、市川市に住む大学2年の女性(当時19)宅に侵入し、キャッシュカードや通帳など7点(時価約14,630円相当)を強奪。女性を車で連れ去り、車内で強姦したうえ、頭にポリ袋をかぶせて窒息死させた。その後、キャッシュカードを使って現金自動預け払い機で現金50万円を引き出した。女性の遺体は11日午後2時半ごろ、全裸で両手を縛られた状態で近くに住む男性に発見された。本田被告と女性とは面識がなかった。
6月上旬に市川市などで女性宅を狙った強盗などが3件あり、犯人の男は、胸にキャラクターのイラストが入った黒っぽいジャージー姿だった。このため、県警は同一犯とみて被害者の証言に基づき、似顔絵を作成して捜査を進めていた。
6月12日午後6時15分頃、市川駅前交番の警察官が、同じキャラクターのイラスト入り黒色ジャージーを着て歩いている本田被告に職務質問。身元を確認したところ、強殺事件の被害者の頭にかぶせられていたレジ袋の指紋から、捜査線上に浮上していた本田被告であることが判明した。
遺体に被せてあった袋から本田容疑者の指紋が検出されたとありますので、本田容疑者には刑事事件の前科があり、警察のデータベースに指紋が登録されていたのでしょう
インターネットの世界では、本田容疑者がミクシィやフェイスブックにアカウントを持っていたか、調べている人たちがいます。すでに中学生時代の本田容疑者の顔写真と称するものが出回っています
中学時代、本田祐樹は友人の所持していた遊戯王カードを盗み、トラブルになったとの話も出ていますが、真偽は不明です
警察に対し本田容疑者は、「木更津に車で乗せていったが、死体を遺棄したり、殺したりはしていない。知らないけど逮捕するんだろう」と述べたそうです
通常ならば警察官が本田容疑者に、「警察署で話を聞きたい」と申し向け、任意同行を求めてから容疑が固まり次第逮捕するのが手順です
最初から逮捕状を持って身柄を拘束に行ったとすれば、警察には本田容疑者の犯行だと判断するだけの確証があったのでしょう
逆に、現時点で遺体に被せられた袋の指紋だけが唯一の物証だとすれば、随分と焦って逮捕に踏み切ったように見えます
若い女性が殺害されたならその交友関係(男友達)を洗って怪しい奴を引っ張り、締め上げれば犯行を自供するはず、という昔ながらの荒っぽいやり方です
そんな捜査手法で失敗したのが、当ブログで何度も取り上げた「島根女子大生遺棄事件」なのですが
今回のケースはどうなのでしょうか?
別の報道では、被害者の菊池果奈さんが交際相手の男性から殴られたりつきまとわれる被害に遭っていたと書いており、2人の間にトラブルがあったと考えられます
別れ話をしているうちに本田容疑者が激昂し、菊池さんを殺害、衣服を脱がせて遺体をどこかに捨てようと山の中を走り回った末、林道に捨てたと推測できます
予め遺体を埋めるためのスコップなど、用意していなかったのでしょう。もっとも、何度も書いているように山の中は木の根が密生しており、スコップだけで遺体を埋めるだけの大きな穴を掘るのは困難です
林道に遺体を遺棄すれば誰かに発見されてしまいます
しかし、遺体が発見されても殺害現場を目撃した人間はいないので、容疑を否認できると本田容疑者は考えたのでしょう
菊池さんの遺体に被さっていた袋から本田容疑者の指紋が検出されても、2人が交際していたのですから菊池さんの所持品に本田容疑者の指紋がついていても不思議はありませんし、菊池さんを殺害者証拠にもなりません
本田容疑者の車から菊池さんの血痕が見つかるとか、殺害に使用した凶器が発見されるとか、別の物証が必要になってきます
警察は容疑者の自供だけに頼るのではなく、きちんと捜査して物証を掴んでもらいたいものです
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