中国海軍の動向に右往左往する民主党

尖閣諸島沖で領海侵犯を行った中国漁船を拿捕した後の、政府・民主党のグダグダな対応は記憶に新しいところですが、あの事態を教訓にきちんとした対応方針が確立されるわけもなく、いまだに迷走中のようです
先日は沖縄近海を中国海軍の艦船が通過し、「演習のため」と称して太平洋へと抜けていきました
しかし、政府・民主党は中国政府の反応を恐れ、写真の公表を大幅に送らせたと報道されています

(引用元の記事が削除されました)

そこまで中国政府を恐れ、遠慮する必要があるのでしょうか?
また、何を恐れているのかさえ判然としません
日本が日本の領空・領海を監視するため自衛隊機を飛ばし、中国海軍の艦船を撮影したところで何の問題もないのですが、政府や民主党にはそれすらはばかる考えがあるようです
中国は現在、旧ソ連製空母「ワリャーグ」を大幅に補修し、実戦配備すべく準備を進めています。中国メディアはしきりにこの空母を自画自賛していますが、基本的な設計が古く、旧ソ連が完成させられないまま放棄した船であり、ただちに日本の脅威となる存在ではありません
中国は5万トンクラスの大型軍用艦を建造した経験がないのですから、改修作業自体が手探りでしょう。言うまでもなく軍用艦はタンカーや貨物船より構造が複雑であり、はるかに強度を要求されます
実際に海に浮かべるとさまざまな欠陥が露呈し、まともに運用できないと思われます
一部のメディアはこの「ワリャーグ」について「ミサイル垂直発射装置(VLS)を備え、弾道ミサイル128基などが装備された」と報道していますが、本当でしょうか?
空母に中距離あるいは長距離の弾道ミサイルを積むとは考えられないからです。自衛のための対空ミサイルを積むのは当然で、何割かは敵の船を攻撃する対艦ミサイルを含むかもしれません。しかし、弾道ミサイルを積んだりはしません。それは攻撃型原子力潜水艦の役割です
いかに中国海軍でも、そんな戦略上の混同はしないと思われます
さらには空母を運用するには、大型の補給艦も必要になってきます。アメリカの空母には大型の補給艦が随伴し、水や食料を供給していますが、中国にはそのような大型の補給艦がありません。旧式の補給艦はありますが、足が遅くて空母の速度にはついていけないという問題があります
大型補給艦なければ建造すればよいだろうと思われるかもしれませんが、いかに中国が多大な軍事予算を注ぎ込んでいるとはいえ、原子力潜水艦の開発もやり、ミサイル艇の建造も進めているのですからお金が足りているようには見えません
さらには中国で作られている武器の品質の問題もあります。粗悪な品質で有名な中国ですから、建造される潜水艦や空母の品質にも問題があります
過去にはミサイルの発射実験に失敗して潜水艦が大破する事故や、潜水艦が海中で火災を起こし乗組員70名が死亡する事故を起こしています。原子力潜水艦の放射能漏れ事故もあります
空母も外観だけは整え海には浮かべられるのでしょうが、そこから先は未知数です
中国の空母を脅威だと騒ぎ立てるのは止めて、もっと事態を冷静に観察し判断するべきでしょう
中国政府を極端に恐れる現在の民主党政権の対応は論外で、もっと毅然とした態度を示すべきであるのは当然ですが

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