回らない風力発電機 早稲田大学に賠償命令
脱原発を主張する声が高まっていますが、かといって太陽光発電や風力発電はまだまだ発電効率が悪く、コストがかさみます
茨城県つくば市では小型の風力発電装置を小学校などに多数設置し、風力発電を試みたものの、期待したほどの発電量は得られなかったとして装置を開発した早稲田大学相手に損害賠償を求める裁判をしてきました
最高裁判所はつくば市側にも責任があったと認めたものの、早稲田大学に約9000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました
「回らない風車」訴訟、早大への賠償命令確定
菅直人首相は風力発電の信奉者だそうですが、「全国に風力発電機を設置する」などという無謀な政策は打ち出しませんでした。その代わり、太陽光パネルを設置するという馬鹿げた政策を口走っていますが
なぜつくば市の風力発電が失敗に終わったのか、十分に検討するべきであり、国も地方自治体も、自然エネルギーに心酔している人たちも学ぶべき点が多いと思います
この問題を紹介したウェッブサイトがあります
なぜ回らない、つくば市の風力発電機問題
事業計画を丸投げしたつくば市の側にも責任があるのでしょう。大学側も実現不可能な事業ならば安請け合いなどせず、「事業化は困難」だと明確に意思表示して事業から降りるべきでした
風が弱くて風力発電には不向きな立地条件を無視し、発電効率の悪い小型の風車を設置したのですから、当初見込みの600分の1しか発電しないという実態です
エコロジー大好きな人はそのイメージに酔ってしまい、小さな太陽光発電パネルや小さな風力発電機でも感激し、自分たちの思いがかなったかのように信じ込んでしまうという問題があります
実際に十分な電力を起こすにはつくば市内に巨大な風力発電機をいくつも設置する必要があったわけで、小学校の校庭にそのような巨大な風力発電機設置を認めるかどうか、賛否が分れたに違いありません
つくば市の失敗を無駄にしないためにも、安易なエコロジー志向に流されないようしっかりと政策を吟味し、検証し、判断していきたいものです
その意味で、菅直人首相の思いつきである「住宅1000万戸の屋根に太陽光発電パネルを設置する」政策は無謀であり、単なる補助金のばらまきに終わる可能性が大です。いったい政府のどこで、いつ、そのような検討がなされたのでしょうか?
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