傷害事件の犯人が被害者少女と同じ高校へ入学

傷害事件を起こして少年院に送られた少年が、仮退院後に被害者である少女の通う高校に入学していたと発覚し問題になっています

傷害事件で逮捕の少年、被害少女の高校入学

高校生である少女が加害者である少年が同じ高校に入学した事実を知り、保護観察所に抗議をしたと記事にあります
保護観察所は少年院から仮退院させるのあたり、環境調整を行うのが仕事です
本人が高校進学を希望するのであれば、少年院を仮退院後に高校へ通うのが悪いとは言いません
しかし、被害者である少女の通う高校へ入学させたのは明らかに保護観察所のミスでしょう
つまり、環境調整の段階で被害者の存在をまったく無視していたため、このような事態になったと考えられます
保護観察所は、「被害者のことは名前と年齢程度しか知り得ず、対策の取りようがなかった。今回のケースが調査不十分とは思わない」と開き直っていますが、それで世間が納得するはずがありません
少年が仮退院するにあたり、保護観察所が事件の被害者側と何の接触も持たなかったのでしょう
保護観察所の仕事はケースワークであり、関係者の利害の調整担っているはずなのですが、実際は書類を整えるだけの事務仕事と化しているのかもしれません
今回のケースのどこに問題があるのか、強姦事件に置き換えて見れば分かりやすいでしょう
強姦の被害に遭った少女の通う高校に、強姦の犯人が少年院を仮退院して入学してくるのと同じです。いかに少年院で矯正教育を受け更生したとしても、少女が学校で強姦の犯人と顔を合わせるのは恐怖と嫌悪が生じます
そんな事態を保護観察所が、「問題ない」と言ったところで通用しません
担当の保護観察官が何を考えていたのかは不明ですが、被害者への配慮を欠いていたのは明らかです
また、高校への進学を決めた少年が4月から1度も登校していない事実を、保護観察所はどう説明するのでしょうか?

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