「もののけ姫」を豪快にパクった中国アニメ
中国の杭州で開催されていた第7回中国国際アニメマンガ祭で、中国の優れたアニメーションや漫画に贈られる美猴賞が発表され、「夢回金沙城」がその栄誉に輝いたと報じられています
「パクリじゃない!リスペクトだ」中国版“もののけ姫”が美猴賞受賞―中国浙江省
中身が「もののけ姫」のパクリだとする批判を中国国内でも浴びたようですが、製作者側は「パクリではなくリスペクト」と開き直ったようです
何はともあれ、映像を御覧ください
夢回金沙城
動画を見てうんざりされた方も多いだろうと思われます
コメントするのも嫌になるくらいの、露骨なパクリアニメーションです
どこが似ているか、パクリかは記事の中で指摘されていますので、繰り返しません
が、こんなものを作って「日本のアニメに負けない作品アル」と自慢し、満足していたいのでしょうか?
中国メディアが報じる言い訳を上記の記事から拾ってみます
先日、広州で試写会が行われ、多くの観客が同作に魅了された。その美しさは高く評価され、日本の大監督・宮崎駿の名作「もののけ姫」を想起させるとたたえられた。
ただし「途中のストーリーがばらばらで、明らかにもっさりしている」との声も。同日、陳徳明監督も一部のシーンは「宮崎駿そっくり」であることを認め、制作チームの大監督に対するリスペクトのスタイルだと語った。
パクっておいても、「リスペクトだ」と開き直る醜悪な態度です
リスペクトといっても作品の世界観は、「ああ、これは『もののけ姫』の…」と観客が思った瞬間に薄っぺらなものになってしまい、深みも広がりもありません
中国の遊園地でパクリのミッキーマウスもどきに出会ったなら、がっかり感が先立ってしまい感動が生まれないのと同じです
「途中のストーリーがばらばらで、明らかにもっさりしている」との批判は、脚本の中身を吟味したりはせず、ひたすら宮崎駿風の絵に似せるのを優先させた結果なのでしょう
これでは製作費が10億円かけたものの、興行収入が1250万円にとどまったのも当然でしょう
もしDVDを買うなら「もののけ姫」を買って見ればよいわけで、「梦回金沙城」を選ぶ理由はありません
さて、製作費を回収できず莫大な赤字だけが残ったようですが、製作者たちにはこれが教訓になったのでしょうか?
アイデア、キャラクター、物語の世界観、宮崎駿風作画を模倣してアニメーションを作ったところで、視聴者からは評価されないのだと理解できたのでしょうか?
そうは思えませんし、これからも中国は露骨なパクリ作品を作り続けるのでしょう。当ブログにとってネタの供給が途切れる懸念はないのですが、喜ばしい現象ではありません
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