「いまさら」東京電力社長辞任

東京電力の清水社長が辞任を発表しました。福島原発事故直後、体調不良により入院していた人物で、「無能」という印象しかありません
社会には東京電力への不信感が渦巻き、批判を口にする人が大勢いるのですが、その半分くらいは清水社長の言動に起因していると思われます
つまり社長の発言、立ち振る舞いが東京電力への信頼を大きく損ねてしまったと言えます
清水社長の功績は、東京電力社員のユニフォームを安物の中国製に変更し、コストを削減したくらいであり、他に特筆すべきものはないようです。まあ、社内での政治、駆け引きには長けていたのであり、だから社長にまで上り詰めたのでしょう
前にも書きましたが、福島原発が事故を起こし社長が陣頭指揮をしなければならない重大な局面で入院し、会見にも応じられなかった時点で社長失格です
一社員であるなら体調不良で年休もあるわけですが、日本社会を揺るがすような原子力発電所事故の際に社長が雲隠れしているようでは話になりません
体調がたとえ万全であったとしても、清水社長には危機に対処する能力も判断力も備わっていなかったのでしょう。社長としての器、見識、能力に欠けた人物が社長になってしまった結果、こんなグダグダの展開になってしまったと考えれます
かつて東京電力には平岩外四のような気骨ある社長がいました
平岩外四は6歳のときに父親を亡くし、母親の手で育てられました。母子家庭であるために親族は彼に就職を勧めたのですが、反対を押し切って進学。東大法学部を卒業して東京電力に入社しています
その後、昭和16年に招集されてニューギニア戦線に送り込まれます。猛暑とマラリア、米軍の攻撃に曝され107人いた平岩の部隊は壊滅、生き残ったのはわずか7人だけという地獄を体験します
このように人生の修羅場を経験してきたからこそ、平岩は経営者として果断な決断力を発揮できたと考えられます
社員のユニフォームを安物の中国製に変更した程度の業績しかない人物、修羅場を経験したことのない人物とは段違いです
もちろん平岩外四は東京電力の経営の中枢にいて、原子力発電を推進してきた責任がある人物です
しかし、もし平岩が事故に直面したなら病院に雲隠れしたりはせず、陣頭で指揮をとったでしょう。政府に掛け合い、地方自治体の首長たちと話し合い、メディアを説得して回ったと思われます

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