韓国が劇場版長編アニメを作れない理由

韓国メディアの報道に面白い内容の記事がありましたので取り上げます
韓国のアニメーション「ポロン・ポロン・ポロロ」は日本でも放送されています


世界110ヶ国に輸出され、韓国のコンテンツとしては大成功を収めたキャラクターであり、期待をかけているのが分かります
そのポロロについて、劇場版映画が作られないのはなぜか、と記事を書いています
元記事が韓国語なので、いつものように「2ちゃんねる」に貼られた翻訳を部分的に引用します

(前略)
ところでここで奇妙な部分がある。
TVアニメーションがこんなにまですごい反響を起こした時、いや‘ポロンポロンポロロ’の半分の半分ほど成果程度だけおさめたとしても、必ず考慮される派生商品がある。
TVアニメーションの‘劇場版’だ。
‘ポケットモンスター’ ‘名探偵コナン’ ‘トラエモン’等を手に握った日本は言うまでもなく、米国でも‘ビーバスアンドバットヘッド’、‘サウスパーク’、‘パワーパフガールズ'など有名になったTVアニメーションは全部劇場版を出して全部少し厚い利益を得た。
幼年層は集中力を発揮できる時間がきわめて短い。
10分もとても長くて5分に減らして成功を収めたのがポロロ神話の核心の中の一つだ。
しかし劇場で映画を上映しようとするなら最小で60分以上の分量にはなるべきだ。‘ポロロの大冒険’も言及したように71分だった。
ところで本来ターゲット層は長編分量を消化するのが難しいから、家で行ったり来たり一騒ぎして長編版を見ることはできても、座席に真っすぐに座って鑑賞しなければならない劇場版で幼年層アニメーション‘ポロロ’は‘合わない選択’というものだ。
(ニューシス ポロロはなぜチャンクのようにならないか 記事入力2011-05-15 08:01)


要するに幼児向けアニメーションの場合、5分から10分で1話という時間に納めなければ、こどもたちの集中力が続かないという問題です
ですから幼児向けに上映時間60分にもなる劇場版長編アニメーションを作るのは無理、と指摘しているのです
小学校2~3年生になると、興味のあるものなら長編のアニメーションでも映画館の座席で見てられるようになるのでしょうが、小学生以下の幼児の場合は無理でしょう
ですからテレビで人気を集めている「ポロロ」も、劇場版を作るのは難しく、そのために儲ける機会を逃してしまっている、と記事では言いたいのでしょう
韓国が成功しているアニメーションのほとんどは幼児向け番組ですから、これでは劇場版長編アニメーションが登場しないのも分かります
先日、韓国の「庭を出ためんどり」という劇場版長編アニメーションを紹介しました。年に1本か、2年に1本くらいの割合で劇場版長編アニメーションは作られているようですが、商業的に成功した作品はありません
それだけに日本では「ポケットモンスター」や「名探偵コナン」の劇場版が毎年作られ、一定の興行収入を稼いでいるのが羨ましくて仕方がないのでしょう
昨年末から今年5月半ばまでの半年間、日本の劇場版アニメーションの興行成績を拾ってみました
劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来    16億9千万円
劇場版マクロスF 恋離飛翼 サヨナラノツバ        4億7千万円
劇場版アニメ 忍たま乱太郎 ~              2億円
映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団          22億3千万円
映画プリキュアオールスターズDX3 ~          8億8千万円
名探偵コナン 沈黙の15分                 28億円
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦   10億9千万円
豆富小僧                       3億2千万円

低年齢層向けと断定はできませんが、「忍たま乱太郎」の苦戦が目立っています
「豆腐小僧」は上映が開始されたばかりなので、この先売上が加算される可能性はありますが、全国423館で上映している割には苦戦しています。10億円が最低ラインでしょうが、5億円も苦しいところです
昨年だと「昆虫物語みつばちハッチ 勇気のメロディ」が1億3千万円と大コケしています。お笑い芸人を動員し、やかましいくらい宣伝していましたが
やはり低年齢層向けは難しいのでしょう
だったら「クレヨンしんちゃん」のヒットはどう説明するのか、と突っ込みが入りそうです。実際の観客は幼稚園児よりもっと年齢の高いこどもたちが中心だと思われます
劇場版アニメーションでも、やはり幅広い年齢の観客を取り込むことのできる作品は興行成績が伸びるわけですから、低年齢児童限定の「ポロン」では大ヒットは期待できないのでしょう
韓国がこどもから大人まで楽しめるような物語を生み出さない限り、劇場版長編アニメーションでヒット作を生み出すのは困難だと思われます

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