貧乏アイドルの上原美優さん自殺

貧乏アイドルとして活動していたタレントの上原美優さんが自殺したと報道されています

鹿児島・種子島出身の“大家族貧乏アイドル”ことタレントの上原美優(享年24・本名=藤崎睦美)さんが5月12日午前3時37分に逝去したと同日、所属事務所が発表した。
上原さんは同日未明、東京・目黒区の自宅マンションで首をつっているところを交際中の一般男性に発見され、その後死亡した。死因は東京監察医で調査中、通夜及び告別式は家族と協議中という。
所属事務所によると、目黒警察からの報告として、遺書はなかったが「解読不明な殴り書きのようなものがあった」という。仕事も順調で「本人がこのような状況に至ってしまった理由が見当たらず、訃報には驚いているとしか言いようがございません」としている。
(オリコンニュースの記事から引用)

まだ24歳ですから痛ましい限りです
種子島から上京し、アイドルを目指して芸能界入りしたと記事に書かれていますが、現実の芸能活動は彼女の思い描いていた世界と大きく異なっていたのかもしれません
詳しい事情は不明ですので、以下は一般論として語ります
報道に接して、「誰かに相談していれば」と思う方もいるでしょう。人情としては確かにそのとおりなのですが、本当に思い詰めている状態に陥ると、その心情を他人に打ち明けることもできなくなってしまいます
また、「自殺のサインを見逃すな」と精神衛生の講習会などでは教えていますが、実際にどのような言動が自殺のサインであるのかは、自殺した後になって思い当たるのがしばしばです
落ち込んだ状態を他人には見せたくないと気丈に振舞っている場合もあるため、事前に自殺のサインを見出すのは困難なのです
年に3万人を超える自殺者が出ており、自殺を防ぐのが課題とされる現在の日本社会ですが、なかなかに難しい課題です
前にも述べましたが、心理臨床の場で若い女性と面接するときは手首にリストカットの痕跡があるかどうかに目を配ります。長袖の衣服で隠れてしまっている場合もあるのため、精神的なストレスや煩悶を訴える女性にはさりげなく自傷行為経験の有無を確認するようにしています
人間は誰しも悩みを抱えてい生きており、ままならない現実に苦しんでいます
ですが、それを「当たり前だ」と決めつけ、「些細なことでクヨクヨするな」と矮小化したところで何の解決にも繋がりません。かえって人の抱える苦悩を過小評価し、問題の本質を見誤る危険すらあります
その極端な例が、「こどもの抱える悩みなんて大したことではない。『泣いたカラスがもう笑った』と、次の日にはけろりとしていることもある」と、事態を誤認するような見方をする人たちの存在でしょう
24歳の女性が自殺をするにはその人なりの深刻な悩みがあり、11歳の女の子が自殺をするのにも彼女なりの深刻な悩みがあったはずです。それを「こどもだから」と軽視するのは間違いであり、「こんな程度の悩みで自殺するなんておかしい」と断言するような態度は、人の心の内奥を推し量れない者の発言です
過去、自分が面識をもっていた人たちの中にも自殺者が何人かいます
自殺の予兆、サインというものが本当にあったのかどうか、考えるものの答は見つかりません

(関連記事)
「GKB47」撤回 迷走する自殺対策
タレント上原美優の自殺を考える 2
「松平健の妻自殺」を考える 
香川の不倫殺人 被告女性が拘置所で自殺
偽メール事件の永田寿康元議員自殺
タレント飯島愛の死因がエイズだと報じる中国メディア
消防士3人が強姦で逮捕
自分の時間を生きる
節目、その先へ



この記事へのトラックバック