フランスのアニメ「アルセーヌ・ルパン」は不人気
ブラウザーがフリーズしてしまい、書きかけの記事が消えてしまったため、同じネタを2回書くことになりました。インターネットエクスプローラーには困ったものです
さて、「ルパン三世」と言えば人気シリーズですが、その新作が秋に公開されるとマンタンウェッブが報じています
ルパン三世 : 1年半ぶりの新作が今秋放送へ
以上が前フリです。本題はフランスで1996年に製作されたテレビ向けアニメーション「アルセーヌ・ルパン」の紹介です
前に「トリビアの泉」だったと思いますが、「アルセーヌ・ルパン」の原作者であるモーリス・ルブランの遺族の意向で、「ルパン三世」の名称がフランスでは使えないと紹介されていました
日本で勝手に「ルパン三世」の名が使われ、漫画やアニメーションになっているのを不快に感じているのかもしれません
それくらいアルセーヌ・ルパンに対して特別な思い入れがあると言えるのでしょう
そこで本場であるフランスがどのようなルパンを描いているのかと興味が湧き、調べてみました
このアニメーションはフランス・カナダ合作で、カナダの英語圏では「Night Hood」のタイトルで、フランスでは「Les exploits d'Arsène Lupin」のタイトルで公開されています
直訳すれば、「アルセーヌ・ルパンの功績(手柄)」という意味になります
のっけからアルセーヌ・ルパン対シャーロック・ホームズの対決です
最初にこの2人の対決を描き、視聴者の関心を煽る狙いがあったのでしょう
しかし、アメリカのカートゥーン風の作画は正直、自分の好みではありません
こうした作画に見慣れた欧米の視聴者には違和感がないのかもしれませんが、日本のアニメーションに馴染んでしまうと物足りなく感じてしまいます
Youtubeにはそれぞれの動画の人気を世界地図で表示する機能があります。それを見ると、「Night Hood」がカナダで高い人気を得ているのが分かります。次いでアメリカでの人気が高いようです。しかし、フランスなどヨーロッパ圏では人気がありません
動画が英語版であるため、とも考えられますが
前に紹介したフランスのアニメーション「コルト・マルテーズ」はかなり濃い目の味付けで、キャラが立って見えました。それに比べるとこの「アルセーヌ・ルパン」はキャラが立っておらず、主役のルパンもその他大勢の中の1人にしか見えません
有名な原作、有名なヒーローでも、アニメーションで描いて成功させるのは簡単ではないという例の1つでしょう
「コルト・マルテーズ」のような作画でルパンの暗黒面を強調した作風にすれば、独特の世界を演出でき、ウケたのかもしれません
アメリカのカートゥーン風のアニメーションは確かに世界中で放送されており、スーパーマンやバットマンは世界中に知られています。それと同じようにアルセーヌ・ルパンを描けば、世界中で放送され、大ヒットすると考えたのでしょうか?
経済評論家や経済ジャーナリストがアニメーションを語るとき、そんな市場原理が説明されるのですが、必ずしも成功が約束されるわけではありません
カートゥーン風のペラペラしゃべる「美少女戦士セーラームーン」や「犬夜叉」など見たいとは思えないわけで
Youtubeで動画をチェックしていたら、海外で吹き替え放送された「ルパン三世」が見つかりました
次元大介や峰不二子の吹き替えが何とも言えず雰囲気をぶち壊していますが、こうしたカートゥーン風の味付けが不可欠だ、と外国の放送関係者は思い込んでいるのかもしれません。オープニングタイトルやエンドタイトルの楽曲も、それぞれの国の放送局が独自に選んだりしています
しかし最近では、コアなアニメーションファンたちがこうした味付けを嫌い、日本で放送されたオリジナル版を好み、中には「日本の声優の声を聞きつつ、英語の字幕で鑑賞するのが王道だ」と主張する人たちもいます
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