韓国メディア アニメの成功に財閥企業の力が必要

朝鮮日報のコラムが、アニメーションを成功させるには財閥企業の力が必要だとの意見を述べています。相変わらず斜め上の珍妙な発想を堂々とかます国です
朝鮮日報の記事は一定期間経過後はウェッブ上で読めなくなりますので、コラムの抜粋を貼り付けておきます


【コラム】「ポロロ」は財閥を歓迎する(上)
韓国を代表する子供向け人気アニメ「ポンポンポロロ」を生み出したアイコニックス・エンターテインメントのチェ・ジョンイル代表は、現代グループの広告関連会社「金剛企画」の出身だ。
先日、代表に会ったところ「そこでアニメを始め、アニメを学んだ」と教えてくれた。現代・サムスン・オリオンなど大企業が相次いで新事業チームを作り、意欲的に映像事業に参入していた時期のことだ。
(中略)
大企業が切り捨てた事業を1人で率い、今や「ポ統領(子供たちの大統領)」と呼ばれる大ヒットアニメを生み出したのだ。
しかし、チェ代表は今もアニメが中小企業ならではの業務領域だとは思っていない。むしろ「アニメこそ資本力が必要だ」と言う。
国内市場を食い合う産業ではなく、世界を相手に無限に広がる可能性を持つ産業だからだ。
チェ代表は「グローバル化のため資本の支援も受けたいし、資本が作ったキャラクターとも競争していきたい」と語った。
事実、韓国でアニメほど海外の巨大資本に開放されている産業も珍しい。1970年代に韓国の子供たちの心を捉えたアニメ『鉄腕アトム』や『フランダースの犬』は日本の大手メディア資本、フジテレビが放映した作品だ。『マジンガーZ』も日本の大手映画資本系列の東映動画が作った。
『白雪姫』『ピノキオ』を作った米ディズニーは、現在の株式時価総額でベンツを所有するダイムラーとほぼ同じだ。
韓国でアニメ市場ほど早々に政府の保護から外れた市場はなく、民族主義的な消費傾向の恩恵から疎外された市場もない。だから、大資本の強力な力が必要なのだが、大企業はごく限られた時期を除き、この市場に目を向けたことはない。
米国と日本が怖いからだろうか。政府の保護がないところに資金を投入した経験が足りないからだろうか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


コラムは(上)、(下)2部に別れており、(下)では「大企業が手を出せば、産業の質は飛躍的に向上する」と主張し、大手財閥企業が資本を投入すれば韓国のアニメーション産業が急成長できると考えているようです
コラムを書いている鮮于鉦(ソンウ・ジョン)は東京の支局長として滞在し、日本を見ていた人物のはずですが、アニメーション産業については何も学ばなかったようです
いまや日本の映画会社は大企業と言えるような資金力はありません。多くの劇場版アニメーションは製作委員会方式が採用され、スポンサーとなった企業から資金を出してもらう形で進められています
ですから、財閥企業がまとまった資本を投入すれば成功するニダ、と言われても首を傾げるしかありません
日本の実情を細かに把握しないまま、「日本はかくかくしかじかの方法で成功した」と勝手に決めつけ、「だから韓国もそのやり方を真似るべきだ」と主張しているだけの話です。これでは100%失敗するでしょう
日本でも先日、「アップルシード」などのアニメーションを手がけた映像製作会社「ミコット・エンド・バサラ」が19億円の負債を抱えて倒産しています

マニアックな大人のアニメを数々手掛けた映画会社倒産の衝撃

資金集めや投資の回収に苦労しているのは日本も同じであり、楽観はできません
しかし、「大手財閥企業が資本を投入すれば日本に追いつけるニダ」と考えているようでは、韓国のアニメーション産業の発展は厳しいと思います。手抜きをせず、クオリティの高い作品を作るプライドを持つことも必要ですし、ヒット作品をパクる安易な手法に走らず、オリジナリティのある作品を地道に追及する姿勢も必要でしょう
そして、先日紹介した「庭を出ためんどり」のようにダラダラと製作期間を費やすのではなく、1年から1年半くらいで作品を完成させて公開し、投資を回収するビジネスモデルを確立させる必要があります
韓国のアニメ「Space Black Knight」は海外でも「Bootleg Korean Gundam」(韓国の海賊版ガンダム)と呼ばれ、嘲笑の対象です



英語の吹き替えはアニメファンのグループが適当にやっているだけです
ひどい作画でグダグダの格闘シーンが続き、目を覆いたくなる出来です
韓国がこんな稚拙なものを作って、「日本に追いついてやる」と口走っていたのが1979年の話です。32年前になります。この32年間、彼らは何を学んだのか訊いてみたくなります。日韓の差は決して資本力の差だけではなかったはずです

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